第4章 脳の柔軟性を高め、記憶力を上げる方法

第4章 脳の柔軟性を高め、記憶力を上げる方法

 

体の柔軟運動のように、脳の柔軟性を高め、記憶力を上げる方法があります。

 

最新の研究で、若者の多くが脳の前頭前野の左右の片側だけをよく使っていることがわかりました。

一方で高齢者には前頭前野の左右を使う人と片側しか使わない人がいるのですが、左右を使う人ほど認知スコアが高かったり、作業効率が高いことがわかっています。

まるで二つの言語を使っているような感じで思考していたのです。

前頭前野の左右両方を使うことで、脳の機能を高めてくれるので、左右ともに活発に使えるようになる方法を紹介します。

 

 

鍛え方は簡単です。

 

新しいことを覚える練習をする。

それだけです。

たとえば英語を覚えたり、資格をとる勉強をしてみたり、前頭前野を左右ともにうまく使うためには、脳に新しい負荷をかける必要があるからです。

 

たとえば英語を覚えていくときは、最初は前頭前野の左側しか使っていない状態ですが、徐々に左右ともに使えるようになっていきます。

 

トランプの「神経衰弱」でトレーニングするのもいいと思います(筋トレと同じように、使うことで脳のネットワークも発達していきます)。

 

若いときは神経衰弱が得意だった人でも、加齢とともにだんだん苦手になっているのではないでしょうか。

 

神経衰弱を頻繁にやる。

それだけでいいんです。

お孫さんとやる、夫婦でやる。

やり続けていくと、前頭前野を左右使えるようになり、記憶力が高まっていきます。

 

大切なのは「やり続けて、上達していくこと」です。

 

できないことができるようになったときに左右両方使えるようになります。

 

ちなみに、若い人はもともと脳のパフォーマンスが高いので、前頭前野の左側を使うだけでも十分機能します。

ただ、若者でも両方使えればさらにいい状態になります。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/