第5章 若返り遺伝子を活性化させる栄養素とは
サーチュイン遺伝子を活性化される栄養素が7つあります。
これらの7つの栄養素は、どれも単体で効果があるという研究結果が出たものなので、すべてをとらないといけないわけではありません。
この7つの栄養素を食生活やサプリメントなどでうまく取り入れていくことで若返り遺伝子を活性化させ、老化を予防します。
かなり強くサーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素です。
いま健康食品の業界でも関心が集まっているもので、特にかつお節に多く含まれています。
かつおそのものにも含まれますが、かつお節のほうが含有量が多くなります。
ほかにはマイタケ、たらこなどにも含まれます。
たらこには生にも含まれていますが、焼くとさらに含有量が多くなります。
▼エラグ酸
ブルーベリーにも含まれますが、ブルーベリーに比べブラックベリーは300倍ほどの含有量になります。
ほかにクランベリーやザクロにも含まれ、美白効果もあります。
ワインなどに含まれるポリフェノールの一種です。
ただ、サーチュイン遺伝子を活性化させるには毎日10リットルの赤ワインを飲まないといけないので、量が非現実的です(もし飲んだとしてもアルコールの摂取しすぎになるので他の問題も起きます)。
ほかの食材にも含まれますが、ピーナッツ(22kg食べる)、ココア(13kg飲む)と現実的に食べるには無理があるので、摂るならばサプリメントになります。
▼プテロスチルベン
ブルーベリー、オメガ3系の油、青魚、マグロのトロなどに含まれます。
これもかなりの量が必要なので、食材だけから摂るのは現実的ではありません。
現在はサプリメントなども販売されています。
▼EPA・DHA
すでに一般化されていますが、サバやアジなどの青魚に多く含まれていて、頭がよくなる脂と言われています。
EPA、DHAは若返りの遺伝子を活性化することがわかっています。
1日に5gの摂取が必要です。
マグロのトロであれば寿司1カンで3.2g摂れるので、2カン食べれば大丈夫です。
青魚であればサンマ1日に3尾、サバを3切れ(1切れ100g)ほど食べるイメージです。
ほかにはオメガ3系の油、ブリ、ウナギ、あん肝などにもかなりの量が含まれています。
大ブームになったサバの水煮缶もいいですね。
EPA、DHAは魚に豊富に含まれていますが、一方でほかの食材にはほとんど含まれていません。
たとえば、野菜には全く含まれていませんし、肉類、乳製品にはある程度含まれているのですが、魚と比較するとけた違いに少ないのです。
「老化を遅らせたければ魚も食べなさい」この言葉を覚えておいてください。
特にマグロをはじめ、サバ、サンマ、ブリなどもその脂身部分に多くEPA・DHAが含まれるので、旬の脂ののったものを食べるとより効果が期待できます。
ただ、マグロなどの大型の魚には食物連鎖の影響で水銀が多く含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。
▼ビタミンC
1日1g、ビタミンCを摂取すると若返り遺伝子が活性化することがわかっています。
ビタミンCの摂取でおすすめしたいのはアセロラです。
アセロラはビタミンCの含有量がかなり多い果物です。
ゆずもビタミンCを含みますが、アセロラにはその10倍以上です。
▼ビタミンD
ビタミンDには、キノコ類に含まれるビタミンD2と、あん肝、しらす干し、いくら、ウナギなど、魚介類の脂の中に多く含まれるビタミンD3があります。
基本的に野菜には含まれていません。
若返り遺伝子を活性化させるためには、ビタミンD3を1日286マイクログラム摂る必要があります。
これは実践するには非現実的な量です。
また、上限も1日100マイクログラムとなっていて、過剰摂取すると組織へカルシウム沈着、腎障害などが起きるため危険です。
ただし、ビタミンDは骨粗鬆症を防ぐ効果があり、免疫を活性化してガンのリスクを下げ、神経系への作用も報告されているので、摂取することは大切です。
ビタミンD不足は転倒のリスクを高めることも示されています。
太陽の力でビタミンDをつくる
ビタミンDを供給するには日光を浴びるのがいいとよく言われていますが、これは本当にいい方法です。
皮膚にはもともとビタミンDの前駆体といって、ビタミンDになる前の物質があります。
日光にあたるとそれがビタミンD3に変換されます。
つまり、食べ物だけでなく、皮膚でもビタミンDを合成することができるのです。
紫外線を浴びすぎると日焼けやシミになるのでは?
と心配になる人もいるかもしれませんが、実は朗報があります。
効果的に日光を浴びられる時間が地域によってそれぞれあるのです。
たとえば、北海道札幌市では、7月ならば午前9時台に14分間日光を浴びれば1日に必要なビタミンDが皮膚でつくられます。
季節や時間帯、住んでいる地域によって日照量が変わるため、日を浴びる時間も変わってきます。
たとえば、茨城県つくば市では、日を浴びる時間は、7月のお昼12時だと6分間で十分ですが、12月になると41分間必要となります。
札幌市では12月の正午で139分間となります。
12月の午前中は紫外線のリスクはほとんどないのですが、その代わりビタミンDが十分つくられないので、お昼に日を浴びるといいでしょう。
特に冬はビタミンDが不足する傾向にあるため、日光だけでなく食べ物からも積極的に摂ることがおすすめです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?