第7章 「自分は若い」と本気で思うだけで、脳も体も若くなる

第7章 「自分は若い」と本気で思うだけで、脳も体も若くなる

 

「学生時代の友人と久しぶりに会っていろいろ話をしたらすごく元気になりました。なんだか若い時代に戻ったみたいで、楽しかった。やっぱり昔の仲間はいいですね」

 

こんな話を70代の女性から聞きました。

こういう経験がある人も多いと思うのですが、元気になったのには理由があります。

自分の若い時代に戻ったような感覚や自分は若いと思うことは、脳にとてもいい刺激をもたらすのです。

 

 

古い調査(1981年)ですが、アメリカのハーバード大学でこんな実験がありました。

70代になる8人が22年前の内装に仕上げた建物の中で5日間共同生活をするというものです。

内装だけでなく、たとえばテレビは1959年当時に流行していた白黒テレビを置き、ラジオからは当時人気があった歌が流れてくる。

本棚にある雑誌や本も、1959年のものを置き、環境そのものを22年前にして、5日間暮らしたわけです。

 

そしてこんなルールを敷きました。

 

 

・22年前の自分になりきるように努力する。昔話をするのはOKだが、昔を懐かしむのではなく、当時の自分になりきって話す。

・当時の話はすべて「現在形」で話す。当時の映画の批評や時事ネタ、当時の出来事などをすべて「現在の話」として話をする。

・自分の写真や家族の写真は現在のものではなく、22年前以前のものを飾る。

 

 

なかなか面白い実験です。

そして、この実験から驚きの結果が出たのです。

 

1 手先の器用さが向上した

2 姿勢がよくなった

3 視力がアップした

4 見た目が若くなった

5 考え方が柔らかくなった

 

 

これだけの若返り効果が表れました。

自分は若いと思い込んで行動するだけで、脳に変化が生まれたのです。

 

 

若く見えるようにしただけで、血圧まで下がったという実験もあります

「ヘアサロン実験」というものなのですが、27歳~83歳の女性47名に対して、髪のカラーリングを行い、実年齢よりも若く見えるようにしました。

するとこちらも驚くような結果が出また。

 

髪を染めて若く見えるようになった人たちの血圧が、若い頃の血圧の戻っていたのです。

 

年配の人が若づくりをしていると、「あの人は年齢も考えず若づくりしていて恥ずかしい」なんてことを言う人もいますが、体にとっても脳にとっても、若づくりはいい方向に作用します

脳内のイメージを変化させ、それによって生理的反応(体内で起こる化学過程)にまで影響があり、健康状態がよりよくなっていくのです。

 

 

さらに、見た目年齢は血管年齢にも関係していると言われています。

 

「実年齢より見た目が若い人」と「実年齢より見た目が老けている人」の血管年齢を調査したところ、こんな結果が出ました。

 

 

▼見た目が若い人

実年齢より血管年齢が若い 79%

 

▼見た目が老けている人

実年齢より血管年齢が若い 19%

 

 

見た目年齢が実年齢よりも老けている人は、81%の人が血管年齢まで高くなっているということまでわかりました。

見た目の差でかなりの違いが出ています。

 

 

また、主観年齢が若い人ほど、将来の自分について前向きな見解をもっていることもわかっています。

 

 

脳にとってのNGワード

 

自分を若く感じていたり、見た目年齢が若いことによる効能は、ほかにもたくさんあります。

そう考えると、もう自分のことをこう言ったり、考えたりするのは止めたほうがいいでしょう。

 

 

これは脳にとっての3大NGワードです。

 

老けた

歳をとった

もう若くない

 

歳をとっているというイメージは、死亡リスクまで高めます。

自分の年齢に対して実年齢よりも8~13歳高く感じている人は、死亡リスクや病気リスクが通常より18~35%高かったというのです。

 

 

「歳をとり、人生が悪化している」「若い頃に比べると幸せでない」「実年齢より老けている」「顔が同年齢の人に比べて老けている」など、自分は老けている、歳とともに幸せが減っていると考えている人は、脳の老化のペースが速く、病気リスクや死亡リスクが上がるのです。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/