第7章 脳の老化スピードが速い人がよく使う言葉とは?-1
「あー、疲れた」
「もう、嫌になる!」
「そんなことできるわけない」
こんな言葉を、日ごろ何気なく使っていないでしょうか?
実は、こうした言葉は脳に影響を及ぼしています。
「脳のプライミング効果」というものです。
ニューヨーク大学の実験でこのようなものがあります。
学生のグループを2つに分けて、言葉の羅列で文章をつくってもらうという実験です。
ひとつ目のグループには「グレー」「孤独」「忘れやすい」「退職」などの年配者のような言葉を使ってもらう。
もうひとつのグループにはニュートラルな言葉で文章をつくってもらう。
「のどがかわいた」「キレイな」「プライベート」などです。
そしてグループごとに移動をしてもらったところ、なんと年配者のような言葉を使ったグループメンバーの歩くスピードが遅くなってしまったのです。
これにはビックリしました。
この実験からわかることは、使った言葉がその後の行動に影響を与えるということです。
どういう言葉を使うかで、無意識のうちに行動が変わります。
どういう言葉を使うかは、大切です。
脳にマイナスになる「使わないほうがいい言葉」
疲れた
嫌だ
運が悪い
できない
難しい
わからない
無理
もう歳だから
時間がないから
あの人のせいだ
あのときはよかった
~しなければいけない
体力がない
気力がない
いつも私は~
みんな~と言っているから
歳をとると~
面倒くさい
これらの言葉は、使った瞬間に脳が悪い影響を受けてしまいます。
たとえば、「疲れた」と言った瞬間に、疲れたイメージが脳に出てきます。
その結果、疲れたようなパフォーマンスをしてしまい、本当に疲れた状態になってしまうのです。
実際にはそこまで疲れていなくても、脳が勝手に疲れた状態をつくり出してしまうことになります。
「わからない」「難しい」などの言葉も、脳にとっては危険な言葉のひとつです。
思考をフリーズさせないためにも、使わないほうがいいと思います。
ただそうはいってもついつい言ってしまうこともありますよね。
それに使わないように無理やり我慢すると、逆に感情が苦しくなってしまう人もいます。
実験をしてみたのですが、たとえば疲れているのに「疲れている」と言えないと、何かモヤモヤした感じになってしまう人が多数いました。
そこで考案したのが、「『でも』の法則」です。
マイナスの言葉を言ったあとに、必ず「でも」を付け加えるという方法です。
たとえば、「疲れた」と言ったら、こんな感じです。
「疲れた、でも~」。
どうでしょうか。
「でも」以降はどんな言葉を付け加えてもらっても大丈夫です。
実際にいろいろな人にやってもらったところ、こんな言葉をみなさん付け加えていました。
「疲れた。でも頑張った」
「疲れた。でもいい疲れだ」
「疲れた。でも寝れば回復するだろう」
「疲れた。でもその分成果が出た」
こう答えるとどうでしょうか。
これは、実は日本語の特徴と脳科学をミックスした方法です。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?