第7章 脳の老化スピードが速い人がよく使う言葉とは?-2
「疲れた」「嫌だ」「わからない」「難しい」「無理」などの言葉は、脳にとっては危険な言葉のひとつです。
思考をフリーズさせないためにも、使わないほうがいいと思います。
ただそうはいってもついつい言ってしまうこともありますよね。
それに使わないように無理やり我慢すると、逆に感情が苦しくなってしまう人もいます。
実験をしてみたのですが、たとえば疲れているのに「疲れている」と言えないと、何かモヤモヤした感じになってしまう人が多数いました。
そこで考案したのが、「『でも』の法則」です。
マイナスの言葉を言ったあとに、必ず「でも」を付け加えるという方法です。
たとえば、「疲れた」と言ったら、こんな感じです。
「疲れた、でも~」。
どうでしょうか。
「でも」以降はどんな言葉を付け加えてもらっても大丈夫です。
実際にいろいろな人にやってもらったところ、こんな言葉をみなさん付け加えていました。
「疲れた。でも頑張った」
「疲れた。でもいい疲れだ」
「疲れた。でも寝れば回復するだろう」
「疲れた。でもその分成果が出た」
こう答えるとどうでしょうか。
これは、実は日本語の特徴と脳科学をミックスした方法です。
脳は、文章の一番最後にきた情報を印象に残しやすいという性質があります。
なので、「疲れた」が最後であれば「疲れた」という情報を残しますし、「でも」のあとに「がんばった」というと「がんばった」という情報を残します。
プラスの言葉のあとに「でも」を使えばマイナスの言葉が来ますが、マイナスの言葉に「でも」を使えばプラスの言葉が来るわけです。
実際に実験でも、「『でも』の法則」をやってもらうと「気持ちが楽になった」「疲れを感じにくくなった」という人が多数いました。
実際にこの2文字で人生が変わってしまった人もいたので、その効果に驚いたほどです。
研修で出会った50代の女性がいたのですが、その人は、マイナスのことばをひとりごとでも、相手に対してでもよく使っていました。
ついついそういう言葉を使ってしまうクセがついていて、そんな自分に嫌気がさしていると話していました。
そこで、その人に「きょうから『でも』という言葉を1000回使ってみてください」と伝えました。
そして、1ヵ月後の研修で会ってみると、まるで別人のように状態が変わっていたのです。
話を聞いてみると「『でも』を使ってみてと言われて半信半疑で使ってみました。
でも、でも、最初はなんだかバカらしく感じました。
ただ、言っているうちに、『でも、元気に生きてるな』『でも、今日は天気がいいな』『でも、ランチが美味しかったな』『でも、きょうはきれいな花を見たな』など意外と自分は小さな幸せをたくさん体験しているんだな、環境に恵まれているんだな、いいこともあるんだな、ということを感じたんです。
いままでだったら、朝起きたときも、なんで決まった時間に起きれなかったんだろうと自分を責めていました。
ただ、いまでは、『でも』という言葉が自然と出てきて、『でも、よく眠れたな』『でも、面白い夢を見たな』『でも、朝食用に美味しいパンを買ってきたな』という言葉が出てくるようになったんです。
そしたら急に、私はいままでできなかったことばかりに目を向けていて、たくさんのできていること、有り難いこと、美しいものに目を向けていなかったことに気付きました。
世間の見え方が少しずつ変わってきたんです。
そんな毎日を過ごしていたら、周りからもなぜかよく声をかけられたり、明るくなったねと言われるようになりました。
こんなに短期間で周りの言葉が変わってきたことに、私自身が一番驚いています。」
その話を聞いて、言葉の力は本当にすごいと改めて感動しました。
うまくいく人は、脳にいい言葉の使い方をしている人が多いのです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?