第7章 「ありがとう」という言葉の持つすごいパワー
言葉の使い方が悪い人は、老人脳になるリスクが高くなります。
人は楽天的性格と悲観的性格の2つに大きく分けられるのですが、楽天的な人はポジティブな言葉を使い、悲観的な人は自分にも人にもネガティブな言葉を使う傾向があります。
ネガティブな言葉を使うと脳はストレスを感じるため、老人性うつの原因にもなり、認知症のリスクも高まってしまいます。
一方で、ポジティブな言葉を使うような楽観性が高い人は認知障害のリスクが低下することが2017年の研究でわかっています。
言葉の持つ力を実感した事例を、ここでもう少し紹介します。
これはスポーツ選手の話です。
以前、Jリーグに所属するサッカー選手と話をしていたところ、彼から悩みがあると打ち明けられたことがありました。
彼のポジションはフォワード、いわゆる得点することが大切なポジションだったのですが、試合の前半はいいのだけれど、後半になるとシュートの決定率が異常に下がるという悩みでした。
話を聞いてみると、後半になると脳が「疲れているというイメージ」を持っているようでした。
「もうスタミナがもたないはずだ」「これ以上は走れないはずだ」とか、脳がそうイメージしていて、結果その通りになっていたのです。
そこで、「自分にはもっとスタミナがある」「最高のパフォーマンスを発揮できる」という言葉を心の内でつぶやいてもらい、イメージを変える努力をしてもらいました。
そうしたら、驚くほど後半のシュートの決定率が上がったのです。
これには自身もびっくりしました。
同じように、マラソン選手でも最後にどうしてもタイムが落ちてしまう選手がいました。
そこで、彼にある言葉を言ってもらったところ、後半のタイムが伸びたのです。
その言葉は「ありがとう」です。
意外に思うかもしれませんが、この言葉でタイムが大きく伸びました。
「ありがとう」は他者に向ける言葉です。
自分が走れるのはこれまでたくさんの人のサポートがあったから。
そうした支えてきれた人に対して「ありがとう」と心の中でつぶやくだけで、どんどん力が出てきたそうです。
それまでは、後半になると「もつかな」といった不安の声ばかりつぶやいていたそうです。
それを「ありがとう」に変えただけでタイムが伸びた。
たったひとつの言葉で、ここまでパフォーマンスが変わるのですね。
スポーツの世界ではスコアやタイムが出るので、その成果が明確です。
言葉は他者とのコミュニケーションだけでなく、自分とのコミュニケーションにも日々使っています。
実は、頭の中で自分自身と話している言葉は、他人と話す何倍もの時間になります。
ですから、自分との脳内トークを変えるだけで、さまざまなことを変えることができるのです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?