第7章 悪いストレスの解消方法
「悪いストレス」を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。
悪いストレスとは、不安・執着・怒り・寂しさ・恐れ・悲しみなどが原因で起きるものと、病気や不調、過度の運動や睡眠不足などから起きるものとがあります。
病気や不調などが原因の場合は、やはりその元を治す必要があります。
一方で、不安や執着など、メンタル面の悪いストレスは解消方法があるので、それを紹介します。
▼不安の消し方
不安がなくなりスッキリするまで書き出す
不安は、準備ができていないとき、方法がわからないときに感じます。
不安をなぜ感じるのか、それをなくすためには何があればいいかを、思いつくままに書いていきます。
不安の原因を特定することで、不安が消えていくこともあるからです。
▼執着の消し方
遠い場所に移動してみる
たとえば旅行に行ったとき、悩んでいたことがちっぽけに思えることがあります。
私たちは執着している結果や人、出来事と距離をとると、その対象を客観的に見ることかできます。
これを「オーバービューエフェクト」と言います。
場所を変えると、「客観視」を司る前頭前野が活性化しやすくなるため、冷静に物事を見ることができるようになります。
何かに執着しているときは、旅行に行ったり、普段と違う場所で1日過ごしてみることをおすすめします。
物事を大局的に見たとき、執着していたものがとても小さく思えたりします。
▼寂しさの消し方
人とつながるのが一番ですが、それができないときは「自然や大好きなものとつながること」です。
つながりは人間だけでなく、自然、動物、物、なんでもいいです。
特に注目されているのが、ガーデニングです。
ガーデニングは世界でも注目されていて、シンガポールでは孤独とうつを防ぐために高齢者にガーデニングを推奨しています。
ブリストル大学の研究で、土と触れ合うと、土の中にいる細菌がセロトニンの分泌を促進するため、幸福度が上がるとも言われています。
また、ガーデニングは低強度の運動のため、長い時間無理なく動くことができ、若返り効果のあるサーチュイン遺伝子の活性化も期待できます。
▼怒りの消し方
2週間、利き手と反対の手を意識的に使ってみる(食事のとき、ドアを開けるとき、何かをとるとき、コップを持つときなど)。
怒りの感情は、脳の自制心を司る前頭前野の活動が衰えると抑えられなくなります。
たとえば、大勢の前で怒鳴りちらすことがないのは、怒りが起こっても「大勢の前だから」と理性(自制心)が活性化して、怒りの気持ちを消してくれるからです。
聞き手と反対の手を使うということは、普段使っていない部分を意識して動かさないといけないため、自制心が鍛えられます。
すると、怒りもコントロールしやすくなるわけです。
また、自制心は、感謝することや人を許す気持ちと関係しています。
感謝や許す気持ちを常に持っている人は、突発的な怒りが少ないというデータもあります。
日頃、感謝の気持ちを人に伝えたり、感謝できることを何かに書き出すことも、怒りを消す方法としておすすめです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12について?