▼慢性腎臓病と心血管病は相互関係
慢性腎臓病が怖いのは、腎臓の機能が低下することだけではありません。
慢性腎臓病になると、心筋梗塞や脳卒中などの心血管病のリスクが大幅に上がるのです。
欧米では、腎機能の低下にともなって循環器病による入院や死亡が増加することが、研究により報告されていました。
日本でも、九州大学大学院の久山町研究で、慢性腎臓病と心血管病発症の関係が報告されています。
これは福岡県久山町において、40歳以上の住民を対象に40年以上かけて追跡調査を行ったものです。
男女ともに「慢性腎臓病あり」のグループが「慢性腎臓病なし」のグループよりあきらかに心血管病の発症率が高くなっています。
また、逆に循環器病の患者は腎臓の状態が悪いことが多いという報告もあります。
なぜこのような関連が起きるのかというと、さまざまな推測がありますが、腎臓が悪い人は高血圧や動脈硬化を起こすことが多く、それが心血管病につながると考えられています。
一方、心血管病の人は血液の循環が悪く、腎臓への血流が悪くなって腎臓も悪くなりがちです。
このように慢性腎臓病と心血管病が相互に関係していることから、近年では「心腎連関症候群」と呼ばれて注目されています。
▼心腎連関症候群
慢性腎臓病
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体内に水分が溜まって血液量も増え高血圧や動脈硬化に
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血液の循環が悪くなり腎臓の働きが低下する
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慢性腎臓病
慢性腎臓病は心筋梗塞や脳卒中などの心血管病を引き起こす要因であり、さらに心血管病は腎臓の働きを悪くさせる
このような相互関係は近年では「心腎連関症候群」と呼ばれる。
腎臓が末期腎不全まで悪くなると、腎臓よりも心筋梗塞や脳卒中が原因で死に至るケースが多い。
「腎臓の話 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?