第2章 1日350グラムの野菜が腎臓に効く!
▼目標は生野菜を両手いっぱい
健康を維持するうえで欠かすことのできない食べ物が野菜類です。
各種ビタミンやミネラルを豊富に含んでいる一方で、肉類のような脂質はほとんどなし、余分な塩分を体外に排出するカリウムや、脂質の吸収を抑えて血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる食物繊維も摂ることができる、まさにスーパーフードなのです。
また、ブロッコリーやトマト、玉ねぎなどは抗酸化成分を多く含み、動脈硬化を防いで腎臓の血管を守る働きも確認されています。
このように健康にとってはいいことばかりでもはや食べない理由がみつからない野菜ですが、令和元年の「国民健康・栄養調査結果」では、なんと国民のすべての世代で1日に必要とされる摂取量350グラムを満たしていないことがわかりました。
生野菜にすると大人の両手たっぷりひと山分にもなるそうなので、1日では食べきれないのも納得ですね。
野菜をじょうずにたくさん食べる方法としては、加熱してボリュームを減らしたり、刻んで汁物の具にするのがおすすめです。
煮物や和え物、漬物などの副菜にして毎食少しずつ食べるのもいいでしょう。
そのままサラダで食べてもおいしいですが、ドレッシングやマヨネーズは塩分や糖分、脂質が多く含まれています。
かけ過ぎ、つけ過ぎには注意が必要です。
▼日本人は全世代で野菜が不足気味
- 野菜摂取量の平均値(※カッコ内は緑黄色野菜の摂取量)
男性
20~29歳 233g(62.1g)
30~39歳 258.9g(71.6g)
40~49歳 253g(69.2g)
50~59歳 278.2g(75.8g)
60~69歳 304.3g(88.5g)
70歳以上 322.9g(98.1g)
女性
20~29歳 212.1g(58.8g)
30~39歳 223.2g(74.4g)
40~49歳 241.2g(70.4g)
50~59歳 260.7g(79.9g)
60~69歳 309.8g(100.8g)
70歳以上 300.2g(99.5g)
※厚生労働省/令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要「野菜摂取量の状況」より
▼野菜をたくさん食べるには
加熱して“かさ”を減らす
葉物系の野菜は加熱することでボリュームが減って食べやすくなる。
スープの具や主菜の添え物に
汁物の具やメインのおかずの添え物、煮物や漬物にしてもいい。
「腎臓の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
同時に、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?