トラブルは「安心させる言い方」で相談する
トラブルは「安心させる言い方」で相談する
取引先や上司への言い方は、とりわけ気を遣うものです。
とくに、トラブルが発生したときは注意が必要です。
緊急事態の発生によって、報告する立場であるあなたの自律神経はすでに乱れています。
したがって、「早く上司の判断を仰がなくては」と、気持ちが先走りやすくなります。
しかし、重要なのは「トラブルを上司に相談する目的は、正しい判断を下してもらうこと」であると、肝に銘じることです。
決して「一刻も早く判断を下してもらうこと」ではないのです。
私の秘書は、仕事が的確でとても優秀です。
しかし、何かトラブルが発生したとき、彼は私に次のような言い方をします。
「ちょっと問題が起きまして」
決して悪い言い方ではありません。
忙しくて時間がない私の立場を気遣って、相談の意図を端的に示しているのだと思います。
しかし、上司という立場の人間には、常にいろいろなことが舞いこんできます。
つまり、対応に追われるため交感神経が過剰に優位になりやすい状態です。
そんな人間に対して「ちょっと問題が起きまして」と、いきなり言うのは、突然カウンターパンチをくらわせるようなものであり、相手は聞いた瞬間、ガクッときてしまいます。
そうすると、話の内容を聞く前から不安が高まってしまい、冷静な判断ができなくなります。
上司にトラブルの相談をするのは、的確な判断を下してもらうのが目的です。
しかし、話をする前から相手に緊張を強いてしまっては、それは望めません。
「緊急事態だから早く決断しなければ」と、答えを出すのは早まるかもしれませんが、それが正しい判断かどうかはクエスチョンマークがつきます。
したがって、私が部下の立場だったら次のような言い方をします。
「大丈夫だとは思うんですけど、ちょっとこのへんだけは注意しておいたほうがいいかもしれません」
一見まわりくどいようですが、過度に上司を負いこまないことが重要なのです。
話し始めはなるべく不安を与えないようにして、相手の心の準備ができたところで、問題を提示するのです。
そうすることによって、上司は自律神経のバランスを乱すことなく、的確に判断できるようになります。
できる部下というのは、上司が安心して話を聞ける状況をお膳立てできるものなのです。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?