ポイントは「時間」と「集中」

ポイントは「時間」と「集中」

 

ところで、セロトニン神経というのは、ずいぶんひねくれた性格を持っています。

 

というのも、これまで説明した1~3の方法を間違いなく実践すれば、確かにセロトニンの分泌は増えていきます。

ところが、ちょっとやり方を誤ると、鍛えるどころか、かえって弱める結果になってしまうのです。

 

たとえば、たっぷり光を浴びるのはセロトニン神経にとっていいことですが、限度を超えてしまうと、セロトニン神経は逆にどんどん弱まっていきます。

 

また、ウォーキングをしていれば、それだけセロトニン神経が活性化されるかというと、それもまた違います。

同じウォーキングでも、やり方しだいでセロトニンが出るウォーキングと出ないウォーキングがあるのです。

 

これを誤解していると、かえってストレスに弱くなってしまいかねません。

 

では、セロトニン神経を鍛える際には、どういう点に注意すればよいのでしょうか。

 

そのキーワードは2つ。

「時間」と「集中」です。

それでは、この2つの注意点について、説明していきましょう。

 

 

時間が長すぎるとかえって逆効果

 

日光浴やウォーキングがセロトニン神経を鍛える効果的な方法だということは、すでに述べた通りです。

 

ところが、いくらいいといっても、暑い季節に30分も外を歩いていれば、誰でもぐったり疲れてしまいます。

そうなると、セロトニン神経の活性化には逆効果です。

 

なぜなら、トレーニングをはじめてから5分ほどすると、どんどんセロトニンが分泌されていくのですが、疲労が出るころになると、今度はセロトニンの分泌量が減っていってしまうからです。

 

これは、セロトニンの「自己抑制作用」と呼ばれる現象です。

こうなると、セロトニン神経の活動が鈍ってしまって、最後にはセロトニンが出なくなってしまいます。

 

そのため、太陽の浴びすぎや歩きすぎには注意が必要です。

「疲れたな」と思ったら、すぐにやめることが大切です。

 

セロトニンの自己抑制作用は、セロトニン神経のしくみと深く関係しています。

セロトニン神経の細胞の軸索には、その細胞自身に戻る「自己受容体」が存在しています。

レーニングを長時間続けていると、この自己受容体が働いてセロトニンの分泌量が抑制されてしまうのです。

 

疲れたうえに、セロトニン神経を鍛える効果がないのでは意味がありません。

レーニングで大切なのは、1回の時間を長くするのではなく、むしろ1日5分でも10分でもいいから、毎日続けるということにあるとおわかりいただけるでしょう。

 

まさに「継続は力なり」なのです。

毎日少しずつ補給する以外に、セロトニンを増やす方法はありません。

 

ただ、気をつけていただきたいのは、できない日があったからといって落ち込まないこと。

人間ですから、やる気が起きなかったり、時間に追われてできなかったということもあるでしょう。

 

そんなとき、「やっぱり自分はダメなんだ」と自己嫌悪に陥っては意味がありません。

途中で挫折しても、やり直せばいいのです。

それもまた「七転び八起き」の精神です。

セロトニンがある程度充電できていれば、そういう発想ができるようになるはずです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/