第1章 <秘策5>骨粗しょう症の救世主 「4群・2群」の法則
ここに効果的!→こつ(骨)けつ(血管)
カルシウムの99%は骨や歯にたくわえられます。
残りの1%は血液や筋肉などにとけこんでいて、骨はいわば、カルシウムの貯蔵庫。
ところが、体からカルシウムが足りなくなると、骨から血管にカルシウムが溶け出してしまいます。
これを「カルシウムパラドックス」といって、体を守るために必要な機能なのですが、結果として骨からカルシウムが失われ、骨粗しょう症の原因になってしまいます。
骨がもろくなり、くしゃみで骨折するようなことが起きてしまうのです。
また、カルシウムが血管の中で石灰化してしまうと、血管を詰まらせて、動脈硬化や脳梗塞などの血管系疾患の原因にもなります。
カルシウムの必要量は、75歳以上の男性は1日に720mg、女性は620mg。
でも、多くの人が150~200mgほど足りていません。
ぼくは、骨粗しょう症予防のためにも、高齢の方には今より200mgずつ多くとってほしいと思います。
カルシウムが豊富な食材は、「乳製品」「大豆・大豆食品」「野菜類」「魚介・海藻類」など。
毎日の食事でこの4つの食材群から、最低2群以上は食べるようにしてください。
これを「4群・2群」の法則と名づけました。
自分なりにとりやすい食材を決めて、家に常備しておくのがコツです。
カルシウムは尿や便として少しずつ体の外に出てしまうため、毎日の食事でこまめに補っていくしかありません。
この法則で、毎日コツコツ、カルシウムをとりましょう。
毎日コツコツ骨を強く「4群・2群」の法則!
カルシウムがたくさん含まれている食材はこの4群。
野菜にもカルシウムがふくまれているので、大豆食品や海藻と合わせてサラダにするなど、ちょっとした工夫で簡単に「毎日最低でも2群」をクリアできますよ。
これが“4つの食材”
↓
乳製品
牛乳1杯・200mlのカルシウム量は220mg。
ヨーグルトやチーズもおすすめ。
大豆・大豆食品
大豆食品は骨活にも優秀。
高野豆腐(乾燥)20gに125mgのカルシウムがふくまれる。
野菜類
モロヘイヤ60gでカルシウム156mgなど、野菜は意外とカルシウム豊富なものが多い。
魚介・海藻類
みそ汁1杯あたりに使う乾燥ワカメ1g程度のカルシウムは約9mg。
手軽にカルシウム摂取を。
「鎌田式 長生き食事術 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?