第1章 <秘策6>カルシウムパワーを引き出す ビタミンDとビタミンK
ここに効果的!→こつ(骨)
いくつになってもスタスタ歩ける骨をつくるには、カルシウムだけでなく、ビタミンDやビタミンKを一緒にとることが欠かせません。
ビタミンDには腸管でのカルシウムの吸収率をアップさせる働きがあるし、ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのを助け、骨をこわす破骨細胞の働きをおさえてくれます。
ビタミンDが多いのは、魚やきのこなど。
ビタミンKは発酵食品に多く、納豆はダントツです。
海苔やわかめ、ひじきなどの海藻類にもふくまれます。
カルシウム食材を食べるなら、これらの食材も一緒に食べることで、カルシウムのパワーを十分に発揮させることができます。
面倒な調理は飛ばして、「まぜるだけ」のずぼら料理はいかがでしょうか。
「五目納豆」なら、カルシウム、ビタミンDとK、さらにたんぱく質や食物繊維もたっぷり。
おすすめです。
逆に、骨を弱くしてしまうのが、リンを含むスナック菓子やインスタント食品。
リンは体に必要なミネラルですが、過剰にとるとカルシウムと結合して、体外に排出されてしまいます。
また、腎臓に疾患があるとリンを尿から排出する機能が弱まり、体にリンがたまりやすくなります。
腎疾患のある方は、とくにご注意。
食塩やアルコールも、カルシウムを尿として出しやすくします。
だからやっぱり減塩は必要だし、アルコールも適度に楽しむことが大切。
それから、タバコはできるだけ減煙です。
毎日コツコツが大切
骨の健康は、なにを食べるかがカギをにぎる!
ビタミンDは骨の形成と成長をうながし、免疫力もアップします。
ビタミンKには止血効果や動脈の石灰化を防ぐ作用も。
ともに毎日の食事でしっかりとりましょう。
一方で、インスタント食品やスナック菓子をよく食べる人は、リンの過剰摂取の可能性があります。
ビタミンD・Kが豊富!
きのこ類や魚、卵などはビタミンDが、納豆や海苔などはビタミンKが豊富。
日々の食事に取り入れて。
リンが多い……
カップ麺、スナック菓子、清涼飲料などはリンが多め。
骨活のためには、過剰摂取は控えましょう
まぜるだけで栄養満点「五目納豆」
分量の目安(1人分)
納豆…1パック
プロセスチーズ…1個
オクラ…2本
しらす干し…5g
大葉…1枚
付属のたれ…1個
すりごま…お好みで
オクラをラップにくるみ、電子レンジ(600W)に1分程度かけます。
取り出したオクラとプロセスチーズを食べやすい大きさに刻み、大葉は千切りに。
納豆と付属のたれ、しらす干し、すりごま、オクラとプロセスチーズを全部一気にまぜ合わせたら完成。
器に盛り、大葉を散らす。
いつもの納豆にチーズやしらす干しを加えることで、たんぱく質とカルシウムが手軽にアップできます。
そのうえ食物繊維もしっかりとれる、「まぜるだけ」のずぼら五目納豆です。
「鎌田式 長生き食事術 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?