第2章 <納豆>5冠達成の栄養の王様!
ここに効果的!→きん(筋肉)こつ(骨)けつ(血管)のう(脳)ちょう(腸)
すべての栄養成分が完全に納まっているから「納豆」と呼ばれるようになったという説もあるほど、納豆は栄養たっぷり。
「きん・こつ・けつ・のう・ちょう」に効く、まさに五冠王。
減量の大豆は「畑の肉」と呼ばれ、たんぱく質も豊富ですが、じつは認知症予防も期待できるんです。
認知症の原因のひとつが脳内神経伝達物質の「アセチルコリン」の減少です。
大豆に含まれる大豆レシチンは、このアセチルコリンの材料となることが知られています。
加えて、糖質の過剰な吸収を防ぐ大豆サポニン、エネルギーをつくるビタミンB1、がんや生活習慣病予防に効果があるといわれるイソフラボンもふくまれています。
さらに納豆には、ねばねば成分のナットウキナーゼも。
これは血液をサラサラにし、高血圧やメタボの撃退に一役かう栄養素。
発酵食品の納豆は、もちろん腸活にも最適。
納豆菌は胃酸に強く、生きたまま腸に届くといわれています。
・筋肉量・骨量アップ
・認知機能アップ
・腸を整える
・たんぱく質・大豆レシチン・イソフラボン・大豆サポニン・ナットウキナーゼ・カルシウム
レシピのいらない食べ方
まぜるだけで栄養満点「五目納豆」
オクラをラップにくるみ、電子レンジ(600W)に1分程度かけます。
取り出したオクラとプロセスチーズを食べやすい大きさに刻み、大葉は千切りに。
納豆と付属のたれ、しらす干し、すりごま、オクラとプロセスチーズを全部一気にまぜ合わせたら完成。
器に盛り、大葉を散らす。
いつもの納豆にチーズやしらす干しを加えることで、たんぱく質とカルシウムが手軽にアップできます。
そのうえ食物繊維もしっかりとれる、「まぜるだけ」のずぼら五目納豆です。
分量の目安(1人分)
納豆…1パック
プロセスチーズ…1個
オクラ…2本
しらす干し…5g
大葉…1枚
付属のたれ…1個
すりごま…お好みで
「鎌田式 長生き食事術 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
ビタミンB12について?