『ま、いいや…』はたんぱく質不足のサイン
たんぱく質不足というと、多くの方が、身体の不調と関係しているものとイメージされるでしょう。
しかし、たんぱく質不足は、メンタルにも大きな影響を与えます。
私自身、栄養に無頓着だった若い頃は、いつも頭がぼんやりしていて、やる気のない、なんでもすぐに諦めてしまう人間でした。
それが自分の生まれ持った“性格”だと思っていたのですが、今考えると原因はたんぱく質をはじめとした栄養素の不足によるものだったと思います。
なぜたんぱく質が不足すると、やる気のない人、諦めの早い人になってしまうのでしょうか。
それは、ドーパミンをはじめとした、神経伝達物質やホルモンが深く関係しています。
ドーパミンは、意識や集中力、学習や記憶といったことと深くかかわっている物質。
目標が達成されたときなど、ドーパミンが出ることによって脳が「快感」を覚えます。
人は次の行動への意欲を高めていくのです。
ドーパミンが自動的にきちんと分泌されていれば、世の人は誰もが意欲があってやる気マンマンになるはずですね。
しかし実際には、そんなことはありません。
ドーパミンをはじめさまざまな神経伝達物質やホルモンの生成量・分泌量は、個人差がとても大きいのです。
そうした差を生む大きな原因のひとつが食事です。
ドーパミンは最初から私たちの体内に備わっているわけではなく、口から摂った栄養素を原料にして体内で生成されるものだからです。
そのもっとも重要な原料が、たんぱく質です。
また、ビタミンB群や鉄も併せて必要です。
このように、たんぱく質不足をはじめとする栄養素の不足は、意欲や集中力の低下に大きく影響します。
きちんと食事でたんぱく質が摂れている人は、ドーパミンが適正に分泌され、常にやる気があるわけですから、本来持っている実力が十二分に発揮され、仕事もプライベートもうまくいくことが多いものです。
反対に、食事でたんぱく質が十分摂れていないと、やる気が出ない→仕事でもプライベートでもなかなか自分の力を発揮できない→食事に対してさえ意欲がわかない→ますますたんぱく質が摂れなくなる、という図式が成立してしまいます。
物事に対して「ま、いいや……」という考えが頻繁に浮かぶようになっているなら、食事の見直しが必要かもしれません。
もしかしたら、あなたの意欲のスイッチは、食事の中にあるかもしれないのです。
市販のエナジードリンクなどでは到底かなわない、あなた自身の意欲スイッチを、食事を改善することでONにしてください。
本来の自分のパフォーマンスが発揮できていないなんて、とてももったいないことです。
自分の実力を発揮するために職場や環境を変えることは難しいかもしれませんが、食事を変えることなら、今日からできます。
「9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12とは?