なんだか気分がユウウツという人も、たんぱく質が不足しているかも
神経伝達物質やホルモンにはさまざまな種類があり、ドーパミンのほか、たとえばセロトニンやメラトニン、GABAなどがありますが、いずれも主な原料はたんぱく質です。
セロトニンはご存じの方も多いと思いますが、“幸せホルモン”などと呼ばれ、心の安定に欠かせません。
メラトニンは睡眠を司るホルモンで、夜になってしっかり分泌されることで私たちは気持ちよく眠りに入れます。
そして、近年知られるようになったGABAは、興奮を抑えて気持ちをリラックスさせる物質です。
中でも、メンタルを良好に保つにはセロトニンが重要です。
心身の安定を保ち、ドーパミンが暴走したりしないようコントロールしてくれる働きがあります。
抗うつ剤の中にはセロトニンを減らさないようにすることで効果を発揮するものがあり、このことからもセロトニンの分泌量が心身の状態に大きな影響を与えていることがおわかりいただけると思います。
ですから、たんぱく質が不足していると、セロトニンも不足してしまい、どうも気分がうつうつとしたり、暗い気持ちになってしまったりすることがあるのです。
ほかにも、コルチゾールというホルモンの分泌が低下して、うつのような症状になってしまう場合も、栄養素の不足が原因のひとつになっている可能性があります。
うつ病の場合、専門医の診断と薬による治療が欠かせません。
しかし、うつ症状を改善していくためには、同時に食事の内容を確認してみることも非常に重要だと思います。
食事の改善がうまくいくと、体内のたんぱく質量、そしてセロトニンやGABAの量が増え、うつ症状の改善に効果を発揮することもあるからです。
さらに、近年になって、更年期の性ホルモン低下と、セロトニンの分泌低下に相関関係があることが知られるようになりました。
心の安定のために、男性も女性も、50代以上の人は特に意識して、ホルモンや神経伝達物質の原料であるたんぱく質を摂る必要があるといえるでしょう。
「9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12とは?