おすすめしたいアブラ、おすすめできないアブラの見分け方
商品を選ぶ際の注意点など、もう少し情報をプラスしておきましょう。
アブラでもっとも摂っていただきたいのは、オメガ3系の亜麻仁油やえごま油です。
ただし、亜麻仁油やえごま油ならなんでも良いわけではなく、必ず「低温圧搾」「コールドプレス」と表記されているものを選んでください。
植物油の製造は、高温処理で製造するのがもっとも安価な方法です。
しかしこの製造方法では、相当酸化してしまいますのでおすすめできません。
低温圧搾製法は、熱を加えず圧力をかけてアブラを抽出する方法で、良質な脂肪酸を酸化させずに取り出すことができます。
低温圧搾で作られた商品は、パッケージに必ず「低温圧搾製法」と表記していますので、表記のない商品は選ばないようにしましょう。
高温処理された亜麻仁油などのオメガ3系脂肪酸は、酸化が進んでいるため普通のサラダ油よりも身体に悪い脂質となっている可能性があります。
亜麻仁油もえごま油も、低温圧搾で作られたものでなければいくら摂っても意味がないのです。
大手メーカーの中には、高温処理で安く亜麻仁油やえごま油を作っているところがあるので注意しましょう。
バターは、その元となる牛乳を提供した牛がどんな生育状態で育ったかによって、アブラの良しあしが違ってきます。
もっとも良いのは、牧草で育って牛の乳から作られたグラスフェッドバターです。
オメガ3系脂肪酸やビタミンAを豊富に含んでおり、一番おすすめです。
しかし、非常に高価なので、使い続けるのは難しいと思います。
バターはある程度値段で判断して、あまりに安いものは避けるようにしましょう。
中鎖脂肪酸のアブラには、中鎖脂肪酸が60%程度含まれたココナッツオイルと、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルがあります。
MCTオイルの原料はココナッツ油やパーム油ですが、できればココナッツ由来のものを選んでください。
胃がもたれやすくあまり食事が摂れないような人は、中鎖脂肪酸を食事にプラスすると良いと思います。
特に、腸にも優しいココナッツオイルがおすすめです。
ココナッツオイルは飽和脂肪酸も含まれていて加熱にも強く、いろいろと使い勝手がよいと思います。
無臭タイプも売られているので、1本あると便利です。
また、MTCオイルは、最初にたくさん摂るとお腹を壊すことがあるので注意してください。
まず最初は小さじ1杯から。
大丈夫であれば翌日は小さじ2杯、さらに大丈夫ならその翌日は小さじ3杯摂ってみてください。
それで大丈夫なら、もう量はあまり気にする必要はありません。
最初に便がゆるくなるようなことがあっても、慣れてくると元に戻るので、心配しなくても大丈夫です。
中鎖脂肪酸については、安全な原料で作られていることを表すJASマークがついているものを選ぶのがよいでしょう。
「9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12とは?