ミネラルの種類と働き

イメージ 1

ミネラルの種類と働き
体の機能を調節したり維持したりするために欠かせない微量栄養素で、単一の元素からなる成分の総称です。適量の幅が狭いため、摂取に注意が必要な成分もあります。

★欠乏症がある必須ミネラルは16種類
栄養学でいうミネラルとは、炭素、水素、窒素の主要元素以外のものを指します。体内では合成できないため、ミネラルは食品からとらなければなりません。
現在、欠乏症が認められている必須ミネラルは下記の16種類です。
ミネラルには、骨や歯など体の構成成分になる、神経や筋肉の働きを調整するなどの働きがあります。
日本人の場合は、カルシウムや亜鉛の不足、ナトリウムやリンの過剰という傾向があります。
ミネラルのバランスがよくないと、生活習慣病を引き起こす原因にもなるので、過不足なくとる必要があります。

★必須ミネラルの特徴と働き
<ナトリウム(Na)>
カリウムとバランスをとって体液の量を調整します。筋肉の興奮を抑えます。
ナトリウムは通常、食塩の形で摂取されます。食品の含有量なども塩分相当量として示されます。
ナトリウムの推定必要量は、食塩にすると1~2g程度と考えられており、通常の食事をしていれば不足することはありません。
日本人の場合、現在の平均食塩摂取量は11.4g。かつてほどではないものの、とりすぎる傾向があります。生活習慣病予防のため、食事はうす味を心がけたいものです。
・欠乏症
 血液の循環量が減り、倦怠感や疲労感を起こします。消化が進まずに吐き気を催したり、筋力が低下したりします。ただし、普通の食事で不足することはほとんどない。
・過剰症
 典型例は高血圧。血圧の高い状態が続くと血管に負担がかかり、動脈硬化などの血管障害を起こしやすくなる。むくみや腎機能障害を起こし、胃がんのリスクも高まる。
・多く含む食品
 精製塩、固形コンソメ、カットわかめ、梅干し、アミの塩辛、塩こんぶ、豆板醤・・・

カリウム(K)>
ナトリウムとバランスをとって体液の量を調節。心臓の機能を調整する。
ナトリウムと拮抗した関係にあるのが特徴で、ナトリウムが増えるとカリウムが働いて排泄を促します、日本人はナトリウムを取りすぎる傾向があり、カリウムの働きが重視されています。
・欠乏症
 普通の食事で欠乏することはほとんどありませんが、不足した場合は血圧が高くなりやすくなる。
筋肉にエネルギーが補給されず、筋力が低下したり、不整脈が起こりやすくなったりする。
・過剰症
 仮にとりすぎたとしても、尿で排泄されるので心配ない。
 ただし、腎機能が低下して排泄がうまくいかないと高カリウム血症(胃腸障害や不整脈などの症状がある)になることがある。
・多く含む食品
 干しひじき、干しのり、ピスタチオ、レーズン、アボガド、納豆、芽キャベツ、枝豆・・・

<カルシウム(Ca)>
骨や歯の主成分となり、神経の興奮を鎮めます。日本人は不足がちです。
・欠乏症
 骨量が減り、骨軟化症や骨粗しょう症、骨折を起こしやすくなる。神経や筋肉の機能が損なわれて、神経過敏になったり、手足のしびれやけいれんなどを起こしたりする。
・過剰症
 通常は過剰症になることはない。
 がんにかかると高カルシウム血症になる場合があり、血管や腎臓にカルシウムが沈着して障害をおこす。脱力感や食欲不振などを伴います。
・多く含む食品
 煮干し、干しひじき、パルメザンチーズ、ごま、刻みこんぶ、カットわかめ、ゆで桜エビ、凍り豆腐・・・

マグネシウム(Mg)>
骨や歯などを形成し、神経を鎮めます。300種類以上もの酵素の働きを活性化します。
・欠乏症
 利尿剤を使い続けたり、利尿作用の強いアルコール飲料やコーヒーなどを大量に飲んだり、カルシウムを大量にとったりすると不足することがある。
 神経に異常や心臓の血管に障害が起こる。
・過剰症
 大量に摂取しても、尿で排泄されるので、過剰症になることはほとんどない。大量にとった場合、筋力や血圧の低下、下痢、吐き気などをおこす事がある
・多く含む食品
 乾燥わかめ、刻みこんぶ、干しひじき、ココアパウダー、インスタントコーヒー、ごま、アーモンド・・・

<リン(P)>
カルシウムとともに骨や歯を形成します。細胞膜や核酸の材料としても使われ、細胞の分化や成長に必須です。エネルギー産生にも不可欠です。
・欠乏症
 不足することはほとんどありませんが、ビタミンD不足や副甲状腺の異常などからリン不足になることがあります。
 エネルギー代謝がうまくいかず、エネルギー不足になって筋力の低下などを起こす。
・過剰症
 カルシウムの吸収を阻害したり、骨からカルシウムを溶解させたりするため、骨を弱くする。また、腎機能が低下したり、甲状腺副甲状腺の働きに影響を及ぼしたりする。
・多く含む食品
 煮干し、素干し桜エビ、スルメ、凍り豆腐、シラス干し、パルメザンチーズ、カツオ節、焼きのり・・・

<鉄(Fe)>
赤血球のヘモグロビンの成分で、酸素を全身の細胞に運ぶ働きがあります。
・欠乏症
 鉄欠乏性貧血が顕著な欠乏症。酸素が供給されずに疲れやすくなったり、持久力がなくなったりする。 また、頭痛や食欲不振などの症状が現れることもある。
・過剰症:吸収率が低いため普通の食事で過剰症になることはほとんどない。仮に過剰摂取が長く続くと、肝臓に貯蔵されて肝硬変を起こしたり、色素沈着や不整脈、心筋障害などを起こしたりする。
・多く含む食品
 干しひじき、乾燥きくらげ、アサリ水煮缶、煮干し、豚レバー、焼きのり、ごま、切り干し大根・・・

<塩素(CI)>
胃液の成分になるとともに、消化酵素を活性化させます。殺菌作用があり、胃腸内の環境の維持に働きます。
・欠乏症
 不足することはあまりない。仮に不足すると胃液の酸度が下がり、消化不良などを起こす。
・過剰症
 とりすぎたとしても、尿で排泄されるため、過剰症になることはほとんどない。

<イオウ(S)>
髪や爪、皮膚などのたんぱく質に多く、皮膚用のクリームなどにも使われます。解毒作用や酵素の活性作用もあります。
・欠乏症
 普通の食事では欠乏しない。仮に不足すると、皮膚や爪のトラブル、成長不良、関節炎などに。
・過剰症
 食品でとる限り、過剰症は起こさない。

亜鉛(Zn)>
遺伝子やたんぱく質の合成にかかわって、免疫反応をはじめとした各種の酵素をサポートします。細胞や組織の新生や新陳代謝に欠かせない成分です。
・欠乏症
 成長障害や味覚異常、免疫力低下。
・過剰症
 過剰症の心配はない。一度に大量の亜鉛を摂取すると、神経症や腎障害などの中毒症に。
・多く含む食品
 カキ、パルメザンチーズ、煮干し、ココアパウダー、ごま・・・

<銅(Cu)>
赤血球のヘモグロビンの生成時に鉄の利用を促し、鉄の吸収を助ける。コラーゲンやメラニン色素の生成に働いて、皮膚や骨をじょうぶにする。
・欠乏症
 貧血を起こしたり、骨や皮膚、血管がもろくなったりします。
・過剰症
 食事で過剰症にはならない。大量の摂取すると嘔吐や下痢、肝障害などを起こす。
・多く含む食品
 牛レバー、干しエビ、ココアパウダー、ホタルイカ、イイダコ、塩辛、ごま・・・

<セレン(Se)>
抗酸化作用やがん予防が認められており、現在注目されている成分です。
過酸化脂質を分解する酵素の成分になり、組織の老化を防いだり、動脈硬化を防いだりする。がん細胞増殖の抑制も期待されている。
・欠乏症
 心筋への障害、筋力の低下が起こる。動脈硬化やがんのリスクが高まると考えられている。
・過剰症
 爪の変形や脱毛、吐き気などが見られる。過剰症を起こしやすいので摂取に注意。
・多く含む食品
 エビ、イカカニ、煮干し、丸干し、ツナ缶、ウニ、牛肉・・・

ヨウ素(I)>
甲状腺ホルモンの成分になり、発育を促し、基礎代謝を活発にします。
・欠乏症
 甲状腺腫を起こす。疲れやすくなったり、貧血を起こしたりする。
・過剰症
 食品からの過剰摂取の心配はない。
・多く含む食品
 海藻類、イワシ、カツオ、ブリ、タラ、サバ、カキ、ハマグリ、鶏肉・・・

<クロム(Cr)>
糖質代謝に働くインスリンを助け、糖尿病を予防します。脂質の代謝にかかわり、血中脂質の増加を防ぐと考えられている。
・欠乏症
 甲状腺腫を起こす。疲れやすくなったり、貧血を起こしたりする。
・過剰症
 食品からの過剰摂取の心配はない。
・多く含む食品
 海藻類、イワシ、カツオ、ブリ、タラ、サバ、カキ、ハマグリ、鶏肉・・・

マンガン(Mn)>
骨の形成を促す酵素や、たんぱく質や脂質の代謝にかかわる酵素のせいぶんになります。抗酸化作用のある酵素の成分としても注目されています。
・欠乏症
 軟骨などの合成ができず、骨が弱る。
・過剰症
 とりすぎても排泄されるので過剰症は起こらない。大量摂取すると神経に障害が出る中毒症に。
・多く含む食品
 乾燥きくらげ、しょうが、玉露茶、凍り豆腐、全粒粉、焼きのり、くるみ、栗・・・

モリブデン(Mo)>
尿酸の代謝を促す酵素の構成成分として働きます。また、鉄の利用を促進して造血をサポートします。
・欠乏症
 詳しくわかっていませんが、貧血になりやすくなると考えられている。
・過剰症
 食事で過剰症になることはない。とりすぎた場合は、尿酸値が高くなる。
・多く含む食品
 豆腐・きな粉など大豆製品、そら豆、枝豆、グリンピース、ハム、ウインナ・・・

<コバルト(Co)>
鉄が体内に充分蓄積されているにもかかわらず、貧血を起こしたりすることなどから、必要性が認められたミネラルです。ビタミンB12の構成成分として必須の成分です。
・欠乏症
 鉄が利用されず、鉄欠乏性貧血を起こします。食欲不振や手足のしびれなどを起こすこともある。
・過剰症
 普通の食事で過剰症は起きない。大量にとったときに嘔吐や発疹、聴覚障害などを起こした例も。
・多く含む食品
 カキなど貝類、肉類、レバー類、乳製品、魚介類、納豆、もやし・・・

「新しい栄養学 より」


「リブラ」はビタミンB12を主成分に25種類以上の優れた原料を配合し
体に効果的に働くよう開発された画期的な脳ビタミン食品です。
http://www.endokoro.jp/