★脳梗塞の後遺症 高次脳機能障害★

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脳梗塞の後遺症 高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、大脳の一部が損傷を受けたため、言語、思考、記憶、行為、学習、注意などの機能がうまく働かなくなった状態を指します。
原因はさまざまで、病気でも外傷でも起こりますが、病気の代表が脳血管障害、つまり脳卒中です。

高次脳機能障害には次のような特徴があります。
外見上は障害が目立たない。
本人自身も障害を十分認識できていないことがある。
障害は病院内より在宅の日常生活で顕著になることが多い。

高次脳機能障害の種類と頻度>
失語症56.9%、注意障害29.8%、記憶障害26.2%、行動と感情の障害20.4%、半側空間無視20.2%、
遂行機能障害16.0%、失行症11.1%、地誌的障害5.9%、半側身体失認5.9%、失認症5.1%

◆ 注意障害
基本的に注意の量が減っている状態です。言語にまとまりがなく、気が散りやすくなっています。自分のことはある程度できたとしても、ミスが多く、時間がかかります。身のまわりの出来事や社会的な事柄に関心を示さなくなることもあります。
◆ 記憶障害
ものの置き場所を忘れたり、何度も同じことを言ったり質問したりします。今日の年月日を言えなかったり、自分のいる場所がわからなかったりします。
◆ 行動と感情の障害
気持ちが沈みがちで、うつ状態になります。また突然興奮して怒り出したりする人もいます。これは大脳の病変によることもありますが、病気になってしまった、麻痺が残ってしまったという心の問題や元々の性格など複合的な要因で起こると考えられます。
半側空間無視
歩いていて左側の壁にぶつかったり、食時のときに皿の左半分を残したりします。全体の左半分を無視するのではなく、ここの物の左半分を無視するのです。これは左半分が見えないのではなく、認識できないのです。
半側空間無視は右大脳半球に病変があって左側の視野を無視することが多く、その逆はまれです。
遂行機能障害
何か問題が起こったとき、それを解決するために動員される一連の認知・行動機能を総称して遂行機能と言います。問題解決能力に近い概念です。これは言語、感情、判断、創造といったもっとも高次の機能の集合体で、この障害があると、計画を立てたり、段取りや手順を考えて適切に行動することができなくなります。
◆ 失行症
麻痺はないのに、ある運動、動作、行為がうまく行なえない状態です。道具を渡され、それを使って簡単な動作をするよう指示されても、指示の内容を理解し、やろうというする意欲もあるのに、うまくできません。単純な運動や習慣的な動作(バイバイ、など)がうまくできない観念運動失行、道具を使った一連の動作(たとえばお茶を入れる、など)がうまくできない観念失行、図形がうまく描けない、積み木ができない、字の形が崩れる、といった症状の構成失行、服がうまく着られない着衣失行などがあります。
◆ 地誌的障害
よく知っているはずの近所で道に迷ったり、自宅でトイレに迷ったりするなど、地理や場所に関する障害のことです。
◆ 半側身体失認
自分の半身に対する認知の異常を総称して半側身体失認と言います。麻痺した手足がないように振舞ったり、「私は歩けます」と言い張ったりします。麻痺はないのに片側の身体をまったく使わないこともあります。これも右大脳半球に病変があって左半身を無視することが多く、その逆はまれです。
◆ 失認症
あるひとつの感覚を介して対象物を認知することができない状態です。たとえば絵や物品を見せられても、それが何かわからない視覚失認、顔だということはわかっても誰の顔かわからなくなる相貌失認、聴力はあるのに語音だけ知覚できなくなったり、環境音(犬の鳴き声や電車の音など)の知覚・認知ができなくなったりする聴覚失認などがあります。
「健康講座 脳梗塞より」

脳梗塞の予防・対策
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