日本人は“どんぶり民族”といってもいいくらいにどんぶり物が大好き。
価格の手頃さもありますが、その機能性がせっかちな日本人向きなのです。
どんぶりのご飯と上にのせた料理、薬味などで1回の食事で必要とする栄養素がほとんどとれてしまうという仕掛けが、まず、あっぱれなのです。
たとえば「牛どん」。
主菜は牛肉で副菜はタマネギ、シラタキ、ネギ、それに鶏卵をつける場合もあり、上から汁がかけてあります。
ネギの薬味、紅ショウガ、香辛料がつき、さらに漬物にお茶まで添えてあります。
まさに、どんぶりの中は牛肉中心のフルコース。
一般的な牛どんの場合、家庭で作られる場合も含めて牛のばら肉が用いられます。
脂肪が多めですが、アミノ酸バランスのよいタンパク質が14パーセント前後含まれています。
注目されるのは、牛肉には必須アミノ酸のトリプトファンが多いという点。
牛どんを食べて店を出てくる方たちの表情は、ちょっと汗をかいてはいますがとっても幸せそうに見えます。
トリプトファンの多い食べ物をとると、脳の中のハピネス・ホルモンとも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンが増えるのです。
セロトニンが増えると、心地よさが体中に広がりストレスの解消にも役立ちます。
免疫力も強化されますから、病気に対する抵抗力も強くなります。
鶏卵を加えれば、卵黄からは記憶力をよくするレシチンもとれるのです。
タマネギには抗酸化成分のケルセチンも含まれており、これはもう立派な長寿食です。
「長寿食365日 より」
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