
【認知症】介護の負担に押しつぶされないために
認知症という病気は、介護する側の人の人間の状態を正直に反映します。
重い負担を感じて家族に余裕がないと、それはお年寄りにも影響していくのです。
こんな状態から抜け出す出口は……。
≪家族がつぶれたらお年寄りにも不幸。そうならないために――≫
「どうがんばっても、もうダメ」。
そう思う瞬間を、介護者なら多かれ少なかれ経験するはずです。
それでも、あるきっかけから、混乱から抜け出してうまく介護ができるようになる家族がいます。
その一方では、出口が見つからずに疲れ果て、全てを投げ出したいと悩む家族もいます。
解決の糸口は、一人一人の家族が、介護をする過程の中でそれぞれ見つけていくものですが、そうは言っても、これでは答えとしてあまりにも漠然としています。
認知症の患者さんとかかわってきた医師の意見を聞いてみましょう。
「私は痴呆という難病を抱えて生きる人たちには、そうではない人たちに比べてより豊かな暮らし、より安らげるひととひととのつながりを提供すべきだと考えてきた」(小澤勲著『痴呆を生きるということ』より)
小澤氏が「ひととひととのつながり」と書いているように、認知症のお年寄りにとって、周囲の人(介護をする人)との関係は、大変に大きな(最大と言ってもいいかもしれません)“治療環境”ともいえるものです。
つまり、認知症には、介護をする人の状態を映し出す鏡のようなところがあります。
杉山氏はまた、介護者の心得を、こんなふうに言っています。
●お年寄りに対して、邪険に接したり、ぶったりなどは論外。認知症は急速に悪化する。確実に心をすさませ、暴力をふるうと言った行動に出やすくなる。
●お年寄りの行動を否定せず、受け入れる。それに合うシナリオを考え、演じられる名優になる。一枚上手の役者になること。
●認知症の症状と問題行動とは違うことを肝に銘じよう。介護者の考え方によって、混乱(問題行動)は軽くもなれば、重くもなる。深刻に考えすぎないで、「気楽」にケアしよう。「認知症の人と家族の会」に参加したり、社会サービスを活用しよう。
「そんなに簡単にできれば、苦労はしない……」と思うでしょうか。
ただ、忘れてならないのは、重い負担に押しつぶされて、介護者が病気などになってしまったら(お年寄りより先に介護者が死亡してしまう最悪のケースもあります)、それはお年寄りにとっても不幸だということです。
そうならないようにするには、頼りにできる人を何人も持つことです。
押しつぶされそうに感じているとき、人はだいたい自分で自分が見えなくなって煮詰まっています。
こういったときこそ他の人の存在が必要です。
医療や介護の専門家(医師、ケアワーカー、施設のスタッフなど)、介護経験の先輩(「認知症と家族の会」など)、そして、もちろん自分の家族。
こういった人たちが、少し風穴を開けてくれるはずです。
疲れたら、あの人に(あの施設に)頼もう、あの人に愚痴を聞いてもらおう。
そういう心当たりを持ちながら介護をするのと、私が倒れたらおしまいとせっぱ詰まってがんばるのとでは、負担がまったく違います。
押しつぶされないようにするには、介護者が自らを追い詰めずに、自分で自分をケアする方法(相談相手、情報、ネットワークなど)を、どれだけ持っているかだと思います。
最期に、本書にたびたび登場してくる「認知症と家族の会」をご紹介します。
【社団法人・認知症の人と家族の会】
「ぼけても心は生きている」「ぼけても安心して暮らせる社会を」。
これは世界アルツハイマー・デーに向けて、会がここ数年掲げているスローガンです。
会の国際名は「日本アルツハイマー病協会」。
1980年に、家族など90名で発足した草分け的団体です。
現在の会員は約1万人にのぼります。
★認知症の電話相談110番 : 0120-294-456(月~金曜・10~15時)
※「認知症の人と家族の会」の、以前の名称は「呆け老人をかかえる家族の会」。2006年に改称されました。
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ビタミンB12の老化防止効果
ビタミンB12の修理工・再生屋としての能力は、21世紀の日本が抱える最重要課題のひとつである老人問題に、今後、大きな光明をもたらすことは間違いありません。
ビタミンB12は、悪性貧血等に優れた効果があることは以前から知られていましたが、最近、傷ついた神経繊維の修復や神経の伝達物質の合成に関与していることがわかってきました。
従来、一度死滅してしまった脳細胞は、再生不可能とされてきましたが、近時、ビタミンB12によって、再生されることがわかってきました。
それが、末梢神経障害や認知症の治療に有効である事から、俄然注目を浴びるようになってきました。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者は、血液中にビタミンB12が少なくなっています。
そこで、認知症患者にビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽快するケースが多くみられるとの事です。
今や人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるに至ったのは、医療技術が飛躍的に向上した結果ですが、残念ながら、脳に関する医学がそれに追いついていないことも事実でしょう。
老齢化が進むにつれて、感情の起伏が少なくなる、いわゆるボケ症状が見られるケースが増えています。
これは、脳が萎縮する為に起こることで、同じように老人認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー症候群も、脳全体が萎縮して、大脳皮質に変化が起こることによります。
脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
ビタミンB12は、悪性貧血等に優れた効果があることは以前から知られていましたが、最近、傷ついた神経繊維の修復や神経の伝達物質の合成に関与していることがわかってきました。
従来、一度死滅してしまった脳細胞は、再生不可能とされてきましたが、近時、ビタミンB12によって、再生されることがわかってきました。
それが、末梢神経障害や認知症の治療に有効である事から、俄然注目を浴びるようになってきました。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者は、血液中にビタミンB12が少なくなっています。
そこで、認知症患者にビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽快するケースが多くみられるとの事です。
今や人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるに至ったのは、医療技術が飛躍的に向上した結果ですが、残念ながら、脳に関する医学がそれに追いついていないことも事実でしょう。
老齢化が進むにつれて、感情の起伏が少なくなる、いわゆるボケ症状が見られるケースが増えています。
これは、脳が萎縮する為に起こることで、同じように老人認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー症候群も、脳全体が萎縮して、大脳皮質に変化が起こることによります。
脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
ビタミンB12について
子供たちの脳、集中力・学力向上、受験にビタミンB12