【認知症】在宅ケアのよいところとマイナス面

イメージ 1
認知症】在宅ケアのよいところとマイナス面
在宅ケアのよさは、お年寄りが長年親しんできた環境で過ごせるところ。
ただし、介護をする人だけに過重な負担がかかってはうまくいきません。
支える仕組みをつくる必要があります。
 
≪家族だからこそできるケアがあるが、ときには葛藤も生まれる≫
 
認知症のお年寄りは、どこに住んでいて、誰が介護しているのでしょうか。
全国的な調査はないため、東京都の場合を見てみます。
 
東京都の介護保険の認定者のうち、約7割が自宅介護ですが、このうちの認知症と判定された人のみを調査したものです。
 
これによると、認知症の人を介護しているのは、約8割が同居する家族。
内訳は、配偶者が3割、娘が3割弱、息子の配偶者()2割強という順になっています。
 
老夫婦だけの世帯や、独身の娘と老親という世帯がふえていることが、ここからもうかがえます。
 
東京都だけの調査ですので、他の地域とは多少の差はあると思いますが、いずれにしても認知症の人にとって、家族は最大の介護者といえます。
 
家族の介護のよさは、次のようなところにあるといえます。
 
●症状に早く気づき、早期発見につながります。
 
●火の始末や車の運転など、大きな事故につながりやすい患者さんの行動にも、すぐに対処できます。
 
●介護に、本人のことを「昔から知っている」家族の特長を生かすことができます。
 
お年寄りが元気だったころからなじんできた道具や、好きだった本などを見せて、認知症による混乱を切り替えたり、潜在的な力を発揮させるなど、お年寄りの「その人らしさ」を引き出せる力が家族にはあります。
 
●地域にある介護ネットワークの全体像をつかみ、お年寄りに応じたケアをコーディネイトできます。
 
しかし、家族の介護には、こんなマイナス面も考えられます。
 
●「認知症になったお父さん(お母さん)は、自分がよく知っている親ではない」。
子どもはどうしても、昔のしっかりした姿と比べてしまい、人が変わったような親の状態を否定したい気持ちが強くなります。
 
そのため、医師から認知症と診断されたあとも、病気への理解が遅くなり、見当違いの対応(叱咤激励など)をしてしまうことがあります。
 
認知症の介護は長くつづくため、たとえば若いころに不仲だった嫁が姑を介護する場合などは、両者の間に強い葛藤が生まれやすいといえます。
それは、他の家族にも影響していきます。
 
認知症の介護をきっかけに、それまで棚上げにしてきた「一家の事情」が、あらわになることがあります。
 
ただし、ぼけてしまった姑と向き合ううちに、お嫁さんのほうが葛藤を乗り越え、大きな包容力を持つようになることもあります。
介護は、人間を成長させてくれる「場」でもあります。
 
なお、家族の介護がうまくいくかどうかは、次のような条件によっても左右されることは、認識しておいたほうがいいでしょう。
 
【介護の負担が大きくなりやすい条件】
 
・別居をしている
・昼間は勤務をしている
・高齢である
・病弱である
 
こういった条件がある家族は、意識して、福祉サービスや他の家族、友人・知人、地域のスタッフなどの支援を手厚く用意し、「一人で抱え込まない」「がんばりすぎない」仕組みをつくっておく必要があります。
 
★家族からの相談で多いもの★
認知症の人と家族の会」が行っている電話相談の内容では、「問題行動」についての相談が多く、1982年の開設以来、常に7080%の高率。
認知症の介護のむずかしいところです。
「心身の疲労」は1984年ころから急増し、1994年からはずっとトップ。
数は、この2つより少ないのですが「家族間トラブル」もかなり見られます。
お年寄りの介護をめぐる家族同士の問題で、最近は深刻度を増しています。
「経済的負担」の相談が少ないのは、細々とした費用はある程度しかたがないと受け止められているから。
表面化するのは、入院、有料ホームへの入所など、まとまった費用が必要となる場合です。
認知症アルツハイマー病 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
ビタミンB12の老化防止効果
 
ビタミンB12は、悪性貧血等に優れた効果があることは以前から知られていましたが、最近、傷ついた神経繊維の修復や神経の伝達物質の合成に関与していることがわかってきました。

従来、一度死滅してしまった脳細胞は、再生不可能とされてきましたが、近時、ビタミンB12によって、再生されることがわかってきました。
それが、末梢神経障害や認知症の治療に有効である事から、俄然注目を浴びるようになってきました。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者は、血液中にビタミンB12が少なくなっています。
そこで、認知症患者にビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽快するケースが多くみられるとの事です。

今や人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるに至ったのは、医療技術が飛躍的に向上した結果ですが、残念ながら、脳に関する医学がそれに追いついていないことも事実でしょう。
老齢化が進むにつれて、感情の起伏が少なくなる、いわゆるボケ症状が見られるケースが増えています。
これは、脳が萎縮する為に起こることで、同じように老人認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー症候群も、脳全体が萎縮して、大脳皮質に変化が起こることによります。

脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
脳と神経のビタミンB12
子供たちの脳、集中力・学力向上、受験にビタミンB12