高揚感や興奮などのストレスが記憶力を高める
ドキドキしたりワクワクする経験に、私たちの記憶力を高める効果があることがわかったといいます。
高揚感や興奮は一種のストレスです。
ストレスが認知症にとって大きなマイナス要因であることは広く知られています。
心と体に負荷がかかっている状態を「ストレス」と呼びますが、心身が弱っているところに急激なストレスが加わると認知症を発症するケースはよくあります。
配偶者の死や望まない引越し、入院などもその典型的な例でしょう。
年をとってからの急激な環境の変化は、先にもお伝えしたとおり、ストレス耐性が衰えていますから、健康な心身でいないと対応しにくいものなのかもしれません。
このように、一見、「ストレス」は悪者のようにいわれがちですが、私たちにとっては小さいレベルであればストレスは必要なものなのです。
ストレスがなさすぎる快適な環境では、意欲の低下が生じるためボーッとしてしまいます。
ボーっとしていれは脳には何も刺激を与えることもなく、脳の活性化はストップしてしまうでしょう。
適度なストレスがないということは、認知症になりやすい土壌をつくっていることになるのです。
米・カリフォルニア大学のベンノ・ローゼンダール氏らのグループは、感情的に興奮するホルモンをマウスに投与することで記憶力の実験をしました。
すると、興奮作用のあるホルモンを注射されたマウスは普通のマウスよりも記憶力がよくなっていることがわかったのです。
ストレスは、脳機能が低下する心配があるといわれていたのが一般的でしたが、ストレスホルモンは使いようによっては記憶力をアップさせる効果が見込めるのではないかという結論を出しています。
多少ストレスをかけていくことが、学習能力の向上につながっていくのは大人になっても変わらない脳のしくみといえるのです。
「今日からはじめるもの忘れを防ぐ方法68 より」
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6、葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸などのビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
脳と神経のビタミンB12
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