ストレスはもともと生命を守るしくみ

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ストレスはもともと生命を守るしくみ
 
ストレスは病気を引き起こす元凶のように思われているため、この言葉自体、ひどく嫌われています。
ここで、本質的な疑問を提示します。
そもそもストレスは、私たちにとってそれほどいけないものなのでしょうか?
 
生命を脅かすほどの強力なストレッサー(外から人体にやってくる刺激)が私たちを襲ってきたとき、これに対処するために、体では、分子、細胞、生理学的、行動のレベルで急激な変化があらわれます。
これがストレス反応なのです。
 
たとえば、外灯の少ない山の暗い夜道をひとりで歩いているとき、目の前にヘビがあらわれました。
あるいは、歩行中に突然、車が接近してきたとしましょう。
私たちは瞬間的に身をかわします。
 
つまり、ヘビの出現や眼前に迫りくる車といった視覚情報が、脳の真ん中にあって恐怖をつかさどる扁桃体という箇所に届くやいなや、連鎖反応がはじまります。
扁桃体は、生体にとっての非常ボタンなのです。
 
命の危険が迫ったとき、即座にはじまるストレス反応は、体を危険から避けさせるばかりか、危険の到来を全身に知らせる「警報器」にもなっています。
 
警報器がなると、まず、注意力が極度に高まり、恐れがやってきて、「闘争か逃走か」といった緊急事態に対応する態勢をすばやく整えます。
 
同時に、食欲、睡眠欲などは低下します。
イザというときに、食べていたり、眠っていては、さし迫る身の危険から逃げることも、敵と戦うこともできないからです。
 
「ヘビのようにも見えるが、もしかして曲がった木ではないのか。もう少し様子をみてみよう」、「近づいている車は、もしかしたら自分の前で曲がるのではないのか」などと熟考して判断をくだす時間的な余裕はありません。
 
イザというときに、考え込んだり、リラックスしていたのでは、たえず動物たちや異なる部族と戦っていた現代人の祖先は生き残れなかったに違いありません。
私たち現代人は、緊張感いっぱいの生活を送っていた古代人の子孫なのです。
 
ずいぶん嫌われているストレスですが、じつは、私たちの命の危険から守っている警報器であるから、なくては困るのです。
 
もともとストレス反応は、個体の命を守るために、体のおもなシステムが協力しあう洗練された防御のしくみです。
これは、別名、「闘争か逃走か反応」とも呼ばれています。
ストレス反応のおかげで、私たちは緊急事態に瞬時に対応し、状況の変化に対応できるのです。
 
ですが、ストレスが持続し、慢性ストレスになると、ストレス負荷になり、内なる治癒力や免疫力を低下させ、病気を招いたり、病気を悪化させてしまうのです。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12について