急性ストレスと慢性ストレス

イメージ 1
急性ストレスと慢性ストレス
 
私たちが危機に遭遇すると、まず第一に緊急反応が起こります。
このとき、副腎からアドレナリンが放出されます。
アドレナリンが交感神経を興奮させることで心拍数が上がり、血液が脳と筋肉に大量に送られます。
こうして迅速に動くことが可能になり、戦うことも逃げることもできるようになります。
 
第二に、ゆっくりしたストレス反応が起こります。
このとき、「視床下部―脳下垂体―副腎」軸(HPA)が活性化され、副腎皮質からコルチソゾールというホルモンが放出されます。
このコルチゾールが免疫系をコントロールします。
 
人体を敵の攻撃から守る軍隊にたとえられる免疫系が弱くなれば、感染症にかかりやすくなるし、がんも発生しやすくなります。
だから、免疫系はある程度強くなければなりません。
 
そもそも免疫系は、外部から体内に侵入してくる病原体や内部で発生するがん細胞をやっつけるしくみです。
免疫細胞は、病原体に活性酸素という酸素からできた猛毒を浴びせて殺します。
この活性酸素による爆撃によって組織が赤くハレます。
これが炎症です。
これで病原体を殺すことができるのですが、同時に、味方の正常組織にもダメージが発生します。
発赤が、この証拠です。
だから、免疫系は強すぎても弱すぎてもいけないのです。
免疫系の強さをコントロールするのがコルチゾールの役割です。
 
もしHPA軸が正常に機能すれば、脳、免疫系、内分泌系の三位一体が整い、内なる治癒力も高まります。
もちろん、適量のコルチゾールが放出され、免疫力は適正化されます。
 
急性ストレスであれば、免疫力は低下するどころか、逆に高まるのです。
一方、ストレスがダラダラと長引く慢性ストレスとなると、免疫力は低下することが多いですが、逆に、免疫力が高まり、アレルギー性疾患を引き起こすこともあります。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
 
ビタミンB12について