睡眠不足は強力なストレスとなる

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睡眠不足は強力なストレスとなる
 
なぜ睡眠が必要かは、まだ明らかになっていません。
睡眠は不要な記憶を脳から消去するという説と、必要な記憶を脳に固定するという説がありますが勝負はついていません。
いずれにしても、睡眠は身体の回復を促進します。
それは、日中の活動で壊れた筋肉細胞を睡眠中に放出される成長ホルモンが修復するからです。
 
睡眠をとれない動物は早死にします。
睡眠不足は動物にとって強力なストレスなのです。
拷問の手段として、あるいは、犯人やスパイに白状させるための手段として、睡眠の剥奪は容認されてきました。
 
睡眠不足が強力なストレスとなる例を紹介しましょう。
 
200212月、富山大学の神川康子教授は、小学校、中学校、高校の養護教諭を対象に生徒の心身の健康状態を調査しました。
それによると、生徒の「生活の夜型化」は98.6パーセントの教諭が認めており、「睡眠不足」89.3パーセント、「キレやすい」71.9パーセントなどとなっていました。
この研究から、睡眠不足とキレやすさには密接な関係があることがわかります。
 
睡眠不足になれば、疲れが蓄積し、注意散漫、不機嫌になります。
睡眠不足そのものがストレスなのです。
 
また、厚生労働省の研究班は、200712月~200912月の2年間に自殺した76(1578)の生前の様子について、遺族から聞き取り調査をし、そのうち49人について、一般人145人と比較しました。
 
そして、飲酒行動に問題がある人は自殺する危険性が通常より3倍も高いこと、そして驚くことに、睡眠障害の人にいたっては28倍にハネ上がることが判明しました。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について