快眠を獲得する六つの条件

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快眠を獲得する六つの条件
 
どうすれば快適な睡眠を得ることができるのでしょうか。
それには、快眠を奪う要因をなくしていけばよいのです。
では、快眠を奪う要因とは何でしょう。
 
まず第一に、「脳と体の疲労度のアンバランス」をあげることができます。
どの職場にもコンピューターが導入され、仕事の効率は格段に上がりました。
オフィスでは長い時間にわたってコンピューター画面を見ることが多くなりました。
コンピューターゲームにハマっている人も、大勢のメル友とのメール交換に長い時間を費やす人々もそうです。
これで目や大脳の疲れの度合いは以前よりはるかに高まりました。
 
一方、車、エレベーター、電子メール、携帯電話、テレビのリモコンの使用が当たり前になったことで、身体をほとんど動かすことなく、職場でも家庭でもたいていのことができるようになりました。
 
生活はこのうえなく便利になりました。
しかし、いいことばかりではありません。
1日の終わりに、大脳は疲労困憊していますが、身体はぜんぜん疲れていないという「疲労度のアンパランス」が生じています。
これでは、夜、ベッドで横になっても熟睡できるわけがありません。
生活の便利さがかえって生活のリズムを崩すという仇となっています。
 
解決策はあります。
身体を疲れさせ、疲労度のバランスをとれば、熟睡できます。
それには、適度な運動をすればよいのです。
 
快眠を奪う要因の第二は、「大脳の興奮」です。
これは寝る前に大脳をできるだけ興奮させないようにすることです。
寝る前に思考力や想像力を要求する書物を読んだり、テレビ、ビデオ、コンピューターゲーム、映画などの刺激の強いプログラムを避けるのよいでしょう。
 
快眠を奪う要因の第三は、「不規則な生活」です。
まず、規則的な睡眠を心がけ、就寝、起床の時刻をできるだけ規則的にし、それに加えて、不規則な仮眠を避けることが肝心です。
 
昼寝などの仮眠を不規則にとると、肝心の本眠での眠りが浅くなってしまいます。
これでは大脳に蓄積した疲労が解消されずに残り、眠りから覚めたあとでも頭がぼんやりして冴えません。
 
快眠を奪う要因の第四は、「騒音や明るい部屋」です。
騒音が睡眠の妨げになるのは当然ですから、できるだけ静かで暗く、落ち着ける環境を調えましょう。
部屋が明るくては眠りにくいでしょう。
 
夜、眠くなるのは、脳の内部の松果体という松かさに似たかたちの器官から放出されるメラトニンという脳内物質の効果です。
メラトニンは体温を下げ、眠気を起こす「睡眠ホルモン」です。
しかし光が目に入ると、メラトニンが分解されてしまうため、眠りにくくなります。
安眠のために、暗くて、静かな部屋を用意しましょう。
 
快眠を奪う要因の第五は、「興奮性の嗜好品」です。
嗜好品の代表であるコーヒー、紅茶、日本茶に含まれるカフェインは、大脳の最も高度に発達した大脳皮質を興奮させて、目覚めさせます。
夜になってのコーヒー、紅茶、日本茶を避けるべきです。
 
一方、少量のアルコールは大脳皮質の興奮を抑制し、眠気を呼びますが、多量ではかえって睡眠の妨げになります。
アルコールは適量にとどめるべきです。
適量にとどめることのできない人は飲まないのが賢明です。
 
快眠を奪う要因の第六は、「ストレスの蓄積」です。
ストレスを発散するには、寝る前にぬるめの湯にゆっくり入浴することです。
こうすると、ストレスが発散され、リラックスでき、よく眠れて疲れがとれます。
 
ただし、湯の温度と入浴時間には注意が必要です。
湯の温度は約40度、入浴時間は約15分間が目安です。
あまりあつい風呂だと、交感神経が興奮し、脳が覚醒してしまい、かえって眠りにくくなるからです。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について