学習を促進する4つの成長因子

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学習を促進する4つの成長因子
 
エクササイズによって脳内に誕生した神経細胞は、仕事をすることによって、シナプスをつくり、脳の回路を形成します。
そのプロセスは、種子から芽がでて、成長する植物に似ています。
ダイコンでもトウガラシでもそうですが、植物を立派に成長させるには、栄養素が欠かせません。
その結果は、栄養素を与えた植物と与えない植物のできばえを比べてみれば、一目瞭然です。
 
脳も植物も栄養素が大事です。
エクササイズによって誕生した神経幹細胞が神経細胞に成長し、シナプスをつくります。
このシナプスに私たちの学んだすべてが記憶として蓄えられています。
私たちの人生は、シナプスにあることがわかります。
神経細胞の誕生、成長、シナプスの形成は、ある程度、分子レベルでわかっています。
 
そのカギとなるのが、BDNF(脳由来神経成長因子)IGF1(インスリン様成長因子-1)VEGF(血管内皮成長因子)FGF2(繊維芽細胞成長因子)といった4つのペプチドホルモンです。
ペフチドは、アミノ酸がいくつかつながったものの総称です。
 
このどれもが、エクササイズによって血流が盛んになると体で大量に放出され、しかも、脳内に入って効果を発揮する成長因子でもあります。
成長因子とは細胞を育てる栄養素のことです。
 
ところで、なぜ、こうも学習とエクササイズは深く関係しているのでしょう。
進化の観点から考えてみましょう。
そもそも、動物がなぜ学習するかというと、生き延びるためです。
それには、エサがどこにあるかを探し、発見し、隠しておかなければなりません。
脳はこのために存在し、発達してきました。
 
動物がエサのありかを探すのに歩き回る、あるいは、獲物を追いかけて全力で走るときに、のうがもっとも活性化するのは生物の生き残りという観点からいうと、じつに合理的なのです。
 
このように、神経細胞レベルでも、分子レベルでも、まず、エクササイズし、そのあとに学習するのが効率のよい勉強法であることがわかります。
「よみがえる脳 より」
 
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脳は神経細胞の集まりと思われていますが、正確には「神経細胞(ニューロン)と、それらの情報を伝える役目をしているシナプスから成り立っています。脳を使えば使うほど、これらのシナプスが増えていきます。
脳の中のシナプスが密であればあるほど、いろいろな能力が高まります。
記憶力でいえば、記憶したことが鮮明に脳に焼きつけられることになります。
 
昔は、脳の神経細胞は生まれたときから増えることはないから、このシナプスを増やすことが、すなわち脳を発達させることだと考えられていました。
ところが、脳の研究が進み、近年になって、神経細胞は年をとっても増えることがわかったのです。
 
脳を使ってこれらの神経細胞を増やし、なおかつ、シナプスを密にすることが脳を鍛えるということなのです。
 
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのために必要な素材として栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12です。
 
また、加齢や認知症などによって、シナプスはしだいにこわれていきますが、ビタミンB12には、こわれたシナプスを修復する作用があるのです。
同時に、ビタミンB12には、動脈硬化の原因となる活性酸素やホモシステインを除去し、脳の血流をよくする作用もあります。
 
ビタミンB12について