エクササイズは深刻なうつさえも改善する
エクササイズにうつの予防効果があることは証明できました。
では、エクササイズは深刻なうつの治療にも効果があるのでしょうか。
この結果は、1985年、一流の医学雑誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』に発表され、世界の精神医学会に衝撃を与えました。
その論文を簡単に紹介しましょう。
治験の対象は、精神科に入院していた男女49人です。
彼らは深刻なうつに苦しみ、日常生活を送るのさえままならない状態でした。
家系的にも、彼らの親族にうつが多いことから、遺伝的にうつを発生しやすい人たちです。
被験者は、病院内で毎週、1時間か2時間の話し合い療法(注1)、あるいは、作業療法(注2)を受けていました。
そして、もし必要であれば、2つの療法に加えて、三環系抗うつ薬の処方も受けていました。
これは欧米の精神科において一般的に行われている治療法です。
まず、くじ引きで被験者の半分は有酸素運動のグループに振り分けられました。
彼らは、ウォーキング、ジョギング、スキー、水泳などの有酸素運動を各個人の最大酸素摂取量の50~75パーセント(軽度~中程度)になるような運動強度で、1回1時間を週3回、9週間、実行しました。
一方、残り半分のグループは、この時間(1回1時間を週3回、9週間)に作業療法を行いました。
9週間が経過し、こんな結果が得られました。
有酸素運動グループは、持久力、パワー、柔軟性といったフィットネスにおいていちじるしく改善したばかりか、ベックによるうつ検査(Beck Depression Inventory、21項目についてのうつの自己評価法で、スコアが高いほどうつの度合いが高い)でも、作業療法グループよりはるかに低いスコアを示しました。
要するに、有酸素運動を9週間、継続すれば、精神科に入院しているうつ患者でさえ、うつの程度が大幅に改善することが判明しました。
(注1) ディスカッションやカウンセリングなどの話し合いを通じて回復を図る治療法。心理療法ともいう。
(注2) 農耕・手芸などの作業や、レクリエーションを通じて回復を図る治療法。
「よみがえる脳 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
≪ビタミンB12なぜ体にいいのか?≫
ビタミンB12は結晶が赤いことから「赤いビタミン」とも呼ばれています。
主な働きは赤血球の生成を助け、貧血を予防すること。
女性に多い貧血の原因は、鉄分の不足が挙げられます。
しかし、貧血にはもうひとつ原因があるのです。
それがビタミンB12の不足。
ビタミンB12は赤血球を形成、再生し、血液を作ることで、貧血を防いでくれるのです。
そのほかの働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があります。
実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもビタミンB12はおすすめのサプリメントといえます。
もうひとつ忘れてはいけないのが、ホモシステイン血症との関わり。
また、脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
どのビタミンが不足しても神経は正常には働いてくれません。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
どのビタミンが不足しても神経は正常には働いてくれません。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12について