うつで灰白質と海馬が萎縮する

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うつで灰白質と海馬が萎縮する
 
うつになったとき、脳はどんな状態になっているのでしょう。
脳スキャンから、うつの脳では、大脳全体を薄くカバーする灰白質大脳辺縁系の海馬が縮んでいることがわかりました。
 
灰白質とは、おもに大脳皮質のことです。
脳は肉眼で観察すると白く見える白質と、それより色が濃く灰色がかっている灰白質からできています。
そして神経細胞は、細胞体と、そこから延びた軸索というケーブルからできています。
白質は神経細胞がなく、ケーブルばかりですが、灰白質は細胞体のたくさん集まった箇所です。
 
アミノ酸から伝達物質をつくり放出するのも、隣接する神経細胞が放つ伝達物質や特定の臓器が放出するホルモンを受け取ったり、栄養素を取り入れるのも、みな灰白質が担っています。
ですから、灰白質は脳の働きの中心であり、注意力、感情、記憶、意識、判断など人間の心をつくりだしている本部です。
 
脳スキャンでわかったことは、慢性のうつは、人間の脳のもっとも大切な箇所である灰白質にダメージを与えるということです。
 
また、別の脳スキャンによる研究から、うつ患者は、健常者に比べ、海馬が最大15パーセントも縮んでいることも明らかになりました。
海馬の縮む度合いは、うつの期間が長引くほど顕著になります。
うつ患者の多くが、学習と記憶に障害をかかえることはよく知られていますが、その原因が海馬の萎縮にあることがわかります。
 
アルツハイマー病は海馬の萎縮からはじまりますが、やがて気分が落ち込み、うつ状態になるのも、これで理解できます。
 
大人の脳内でも、海馬や前頭葉神経細胞が毎日つくられています。
どちらもうつになると、萎縮する箇所です。
どうやら、うつは、本来、毎日、海馬や前頭葉でつくられるべき神経細胞が十分につくられないことが原因となって発生するようです。
「よみがえる脳 より」
 
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≪ビタミンB12なぜ体にいいのか?≫
 
ビタミンB12は結晶が赤いことから「赤いビタミン」とも呼ばれています。
主な働きは赤血球の生成を助け、貧血を予防すること。
女性に多い貧血の原因は、鉄分の不足が挙げられます。
しかし、貧血にはもうひとつ原因があるのです。
それがビタミンB12の不足。
ビタミンB12は赤血球を形成、再生し、血液を作ることで、貧血を防いでくれるのです。
 
そのほかの働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
 
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があります。
実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもビタミンB12はおすすめのサプリメントといえます。
 
もうひとつ忘れてはいけないのが、ホモシステイン血症との関わり。
遺伝的なもの以外では、ビタミンB12不足により引き起こされるホモシステイン血症は、進行すると動脈硬化心筋梗塞の危険性が高まるといわれています。
 
ビタミンB12は、葉酸とともに核酸の合成を助け、脊髄、胃腸の粘膜などで活躍します。
また、脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

どのビタミンが不足しても神経は正常には働いてくれません。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。

脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
ビタミンB12について