消化器の病気⑤(急性膵炎、慢性膵炎)にはこんな栄養成分が必要

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消化器の病気⑤(急性膵炎、慢性膵炎)にはこんな栄養成分が必要
 
≪急性膵炎≫
 
膵臓から分泌される膵液には、でんぷん、脂肪、タンパク質を、それぞれ分解・消化する消化酵素が含まれています。
普通これらの酵素は腸に送り出されて活動を開始するのですが、何らかの原因によって膵臓内で活動し、膵臓の自己消化をはじめ、炎症がおきるという状態が急性膵炎です。
症状は、飲酒や脂肪の多い食事、過食の数時間後から、みぞおちに激痛があり、同時にその痛みは背中にも走ります。
そして、発熱、吐きけ、嘔吐、頻脈(脈が速くなる)などがみられます。
原因としては、胆石、アルコールの過剰摂取、高脂血症、糖尿病、薬物などがあげられます。
 
●急性膵炎に効く栄養成分
ビタミン・ミネラル類(特に亜鉛)
 
急性期には、飲食をすると膵臓が刺激されるので、絶飲・絶食を続けます。
点滴や薬物療法膵臓の安静を保つことに努めます。
症状が治まり、膵臓から膵液が送り出され、血中酵素が正常化したら、脂肪やタンパク質の制限がある食事療法をはじめます。
回復後も膵臓を刺激しすぎないように、脂肪と糖質の量を控え、亜鉛をはじめとしたミネラルとビタミンがバランスよくとれるよう、食事を改善することが大切です。
 
≪慢性膵炎≫
 
膵臓の炎症が6か月以上持続しているものを慢性膵炎といいます。
おもな症状は、腹痛、背部痛、食欲不振、吐きけ、嘔吐など、また下痢や便秘が続くこともあります。
 
原因は、アルコール飲料の長期にわたる過飲がおもで、ほかには胆石症、膵石症、肝炎、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病などとされています。
 
食事療法が重要で、再発期には急性膵炎と同様に絶飲・絶食します。
安定期に入ったら膵臓を刺激しないような食事にします。
 
●慢性膵炎に効く栄養成分
ビタミン・ミネラル類
 
安定期には脂肪を控え、野菜や果物を中心にして、ビタミン・ミネラルが総合的に摂取できるよう、食事に配慮が必要です。
脂肪分、塩分が多くなる外食や、砂糖を多量に使った菓子類、スナック類は避けるようにします。
また、胃液の分泌を亢進し、膵液の分泌を刺激する、カフェイン飲料や炭酸飲料、香辛料も控えます。
 
膵臓の重要な役割
膵液に含まれる各種の消化酵素は糖質、脂質、タンパク質を分解・消化し、また、膵臓のランゲルハウス島という細胞から分泌されるインスリンは血糖を調節するという役目をもっています。
この糖の代謝には、亜鉛が欠かせないといわれ、また、亜鉛膵臓の組織に高濃度で存在していることから、糖分の過剰摂取が亜鉛の欠乏を招き、炎症の原因のひとつになるといわれます。
 
膵臓をスムーズにはたらかせるには、バランスのよい食事をすることにつきます。
特に脂肪の多い食事やジャンクフード(高いエネルギーで栄養価の低い食品)、アルコール、甘い菓子類の多食は禁物です。
「からだに効く栄養成分バイブル より」 
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。

ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。

ビタミンB12について