活性酸素が老化と深くかかわっている

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活性酸素が老化と深くかかわっている
 
体内に侵入したり、体内でつくられたりした活性酸素によって組織が破壊されるのは、ご承知のことと思います。
人間の細胞は時間とともに活性酸素によって、酸化されて次第に衰えて老化していくというのです。
 
活性酸素は何かにくっつくと相手を酸化させ、その性質や機能を変えてしまうのです。
活性酸素が細胞膜にくっつくと、細胞膜に含まれるコレステロールを下げる働きをする不飽和脂肪酸を酸化させ、過酸化脂質をつくり、組織や細胞を破壊します。
タンパク質にくっつくとタンパク質の機能が変わります。
遺伝子をつくっている核酸を変異させて、がん細胞などを発生させたりします。
 
また、老化色素といわれる「リポフスチン」(過酸化脂質が血液中のリボタンパク質と結びついてできる)をつくり、細胞の動きを止めてしまいます。
リポフスチンが脳や手足、内臓の細胞に付着するのが老化現象です。
 
リポフスチンは老人性のシミ、シワなどの原因になるだけでなく、脳や内臓にも付着します。
脳は他の臓器よりも脂質量が多く、不飽和脂肪酸を大量に含んでいるために酸化されやすいのです。
脳内の脂質が異常に酸化された結果、リポフスチンやβ-アミロイドがふえて、アルツハイマー病を引き起こすことにもなります。
 
老化現象としては、運動機能の低下、内臓の機能の低下、血管の衰え、ボケなど、さまざまなことが生じてきますが、それらの現象には活性酸素が深くかかわっていると考えられるのです。
 
私たちが生きていくと、どうしても活性酸素ができてしまうのです。
呼吸をして酸素をとりこむことが生きるのに必須なのは、酸素が、私たちが活動するために、食べ物を熱エネルギーに変える上で必要だからです。
食べ物は消化され、養分は血液によって体の約60兆の細胞に運ばれます。
このときに細胞内でエネルギーを蓄えた分子(アデノシン3リン酸)がつくられます。
この過程の化学反応を行うために酸素が必要になるのです。
 
このように、生命を維持するために酸素は必要欠くべからざるものですが、酸素を利用する過程で必然的に活性酸素ができてしまいます。
つまり、生命活動している以上は、活性酸素ができてしまうというわけです。
 
しかし、私たちの体はよくできていて、普通は酵素によって無毒化されます。
しかし、年齢とともに、それが追いつかなくなってくるのです。
そこで活性酸素が悪さをすることになるのです。
 
普通に生きて年齢を重ねるだけでも活性酸素はできるのですが、私たちの日常生活でもさらに活性酸素を発生させる要素はいろいろとあります。
たとえば、紫外線や大気汚染の影響、ストレスなどです。
また、激しいスポーツをしたり、タバコを吸う人は、さらに活性酸素の発生が多くなります。
 
       呼吸をして酸素を取り入れれば、活性酸素は必ずできる
       年をとると活性酸素を無毒化する機能が弱ってくる
       ストレス、タバコなどが活性酸素をふやす
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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≪ビタミンB12の老化防止効果≫
 
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
 
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について