老化の速度は生活習慣によって大きく変わってくる
老化の速度は人によってかなり違います。
その個人差はどのような要素で決まってくるのでしょうか。
白髪になる、老眼になる、耳が聴こえにくくなるといったことは、遺伝の要因のほうが大きいと考えられます。
もちろん、いつも騒音のもとで仕事をするような環境にいれば難聴になるといったように、多少は環境の要因も入りますが。
環境要因については自分で何とかできますが、遺伝となると、自分で何とかすることはできないと思われるかもしれません。
しかし、遺伝子の発現をライフスタイルによって変えることも可能なのです。
また、遺伝よりも環境要因が大きいものです。
たとえば血管や骨の老化などは、食生活、生活習慣によって大きな違いが出てきます。
血管は体中の60兆の細胞に栄養を送る大切な臓器です。
ですから、食生活をはじめ生活習慣に気をつけて、血管を老化させない、老化のスピードを少しでも遅くするようにすることが、健康を保つ上では大切なわけです。
血行が悪くなるのは、食べ物、そして体を動かさないことによります。
ですから、タンパク質を取るならば、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が多く含まれる魚のほうがいいといわれているのです。
血液が詰まりにくくなるのですから、当然、心筋梗塞の危険が低くなります。
そうはいっても、バランスですから、肉をまったく食べないほうがいいというわけではありません。
ただし、脂肪部の多い肉を多く食べると、中性脂肪がふえるので注意が必要でしょう。
また、冷えが血行を悪くすることもご承知のとおりです。
血行が悪くなるということは、体内の細胞の隅々に栄養が行き渡りにくくなり、免疫力を担っている白血球の働きも低下することになります。
血管障害によって脳の血流が悪くなって認知症になるという危険性も減らすことになります。
いつまでも元気に頭を働かせたいと思えば、魚をたくさん食べてDHAを取ることはとてもいいことです。
① 生活環境を改善すれば、悪い遺伝も発現しないようにできる
② 血管の老化を遅らせることが健康の秘訣
③ 冷えは血行を悪くし、免疫力も低下させる
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
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≪ビタミンB12の老化防止効果≫
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
ビタミンB12について