もっとも注意すべきは血管障害

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もっとも注意すべきは血管障害
 
脳の老化で怖いのは、認知症になってしまうことです。
年齢相応に記憶力が低下したり、発想力が低下するのは、ある程度仕方ないこととあきらめてください。
それは、40歳以上になると脳細胞が年々死んでいくからです。
 
ただし、その減り方を遅くすることは、生活習慣や頭をうまく働かせることによって可能だということです。
ですから、高齢になっても体も頭も元気な人がいれば、体も不自由になり頭もよく動かなくなってしまう人が出てきてしまうわけです。
 
もちろんもって生まれた体の丈夫さ、頭の働きのよさなど、遺伝的な形質は無視できないものです。
たとえば、親が糖尿病であれば自分も糖尿病になりやすい、つまりインスリンが働きにくい体質を持っているということもあります。
 
ただし、かなり大雑把な言い方になりますが、頭も体も性格も、遺伝に左右されるものが半分だとしたら、環境など生活習慣に左右されるものも半分とみることもできます。
糖尿病については、食生活と運動の習慣によって、インスリンの働きを活発にすることで血糖値を下げることができます。
生活習慣で遺伝子の働きを変えることができるわけです。
 
ですから、脳の老化を防ぐために私たちが日常生活でまずできることは、頭や体を老化させる危険因子を極力少なくすることです。
 
認知症の多くは血管性とアルツハイマー病です。
アルツハイマー病のもとである脳の老人斑は、年をとればある程度ふえていくのは仕方ないことです。
それがどうして過剰にふえてしまうのかは、現在のところ、わかりません。
 
ですから、いまのところ、生活習慣でアルツハイマー病にならないようにするというのはできないのですが、血管性のほうは、血管を健康に保つことで、ある程度予防できます。
そして、脳梗塞を起こすほど血流が悪くないとしても、血流が悪いことが脳の老人斑をふやす要素になり得るので、血管性とアルツハイマー病は関連がなくもないわけです。
 
私たちが日常気をつけなければならないのは、血管を健康に保つということです。
ことに、高齢になれば脳の細い血管などは、知らないうちに小さな梗塞を起こしています。
それでも大丈夫なのは、バイパスをつくってくれているからです。
しかし、それがあちこちに起これば、脳細胞は死んでいくことになりますし、脳梗塞などにも結びつきます。
 
脳梗塞脳出血などの脳卒中は脳の働きだけでなく、体の機能にも影響します。
何とか命をとりとめても、手足が不自由になってしまう場合もあります。
ですから、血管を健康に保つことが、脳の老化を遅くするだけでなく、体の老化を防ぐためにも大切だということです。
 
異常を見つけたら、早い段階で病院で診てもらうことです。
早い段階であれば、梗塞部分を溶かしたり、バイパス手術などを行えば、回復できます。
 
また、頭に打撃を受けることが脳にダメージを与えます。
転倒して頭を強く打ったり、ボクシング、サッカーなどをしている人は、充分注意したほうがいいと思います。
 
       記憶力の低下が年齢相応であれば仕方ないと受け入れる
       脳の老化を防ぐには生活習慣から
       生活習慣で血管を健康に保てば、脳の老化を遅らせることができる
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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年をとると喜怒哀楽がなくなり、脳の感情の起伏が少なくなり、いわゆるボケの症状が出てきます。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われなければなりません。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っている事が判明しています。
 
さらに興味深いことは、当時、精神神経学会会長であった京都大学医学部老年科の亀山正邦教授によると、「健全な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳に含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで低下している」という事が明からされております。
 
これは、精神神経学的な機能とビタミンB12との間の密接な関係が示唆されています。
 
発見の当初は19世紀中頃、鉄分の補給でも治癒しない悪性貧血と呼ばれる病気があることから始まりました。
1920年代から1930年代にかけて、この種の特殊な貧血に動物の肝臓が有効であり、動物性食品にこの有効成分が含まれているらしい事が漸くわかってきました。
 
ビタミンB12の研究の初期は、ビタミンB12と言えば悪性貧血、悪性貧血と言えばビタミンB12といわれました。
 
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調―手足の痺れ・麻痺・痛みなど―はもちろん、中枢神経―脳・脊髄―の機能低下にも有効である事が明らかになっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について