好きなことをしているときにはドーパミンが出る?

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好きなことをしているときにはドーパミンが出る?
 
脳は使えば使うほどよく働くようになるのですから、体をいい状態にして、自分の力でいくらでも働くようにすることができるのです。
そのためには、興味があること、好きなことをすることが第一です。
 
意欲に関係するのは、脳内物質のドーパミンです。
それでは好きなことをしているときには、ドーパミンがよく出ているのかといえば、そうしたことは残念ながらまだはっきりわかっていません。
 
それを調べるとすると、好きなことをしているときの人間の脳の状態を調べなければなりませんが、好きなことといっても人それぞれですし、脳の状態を詳しく調べるためには、MRIなどを用いなければなりません。
しかも、それは研究室の中で静止した状態で、という条件がつきますから、実際には難しいわけです。
 
ネズミを使った実験では、ドーパミンの量をふやすようにすると、疲れも知らず動き回るようになります。
逆に、ドーパミンが出ないようにすると、新しいオモチャを与えても見向きもしません。
それどころか、えさも水もとらなくなって死んでしまいます。
 
ですから、ドーパミンが好奇心に関係しているだけでなく、生きる意欲にも関係しているということがわかります。
 
人間の場合、ドーパミンについてわかってきたのはパーキンソン病の研究からです。
 
中年以降発病するもので、60歳以上ではアルツハイマー病よりも多いほどです。
まず、歩き方がギクシャクしてきます。
はじめの一歩を踏み出しにくくなり、歩きはじめると今度は止まることができなくなり転びやすくなります。
進行すると、アルツハイマー病のように知的機能が下がるわけではなく正常なのですが、表情が少なくなって、しゃべりにくくなり、手にふるえが出て、ものをつかむことができなくなります。
 
このパーキンソン病は、脳の大脳基底核(大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まり)というところにある「黒質」という部分のドーパミンが不足していることがわかっています。
さらに、黒質から線条体という部分に伸びるドーパミンを分泌するドーパミン神経も減っています。
 
黒質」は運動に関係している部分でドーパミンが不足するために、手がふるえたり、歩くのが不自由になると考えられています。
また、ドーパミンを分泌するドーパミン神経も減っているために、大脳のドーパミン量も減って意欲も低下するらしいということです。
 
このことから、ドーパミンは、体の動きと意欲にかかわるということがわかってきたわけです。
しかし、人の脳でドーパミンが出ているかどうかが検査できたとしても、それが体の動きとかかわっているのか、意欲にかかわっているのか、はっきりと区別することはできません。
 
       意欲が低下し体の動きに影響するパーキンソン病は、ドーパミンが不足する病気
       ドーパミンは好奇心だけでなく、生きる意欲にもかかわっている
       興味があることをすれば脳がよく働くのはドーパミンの作用か
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12とは…?
 
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12について