年をとればとるほど、脳に苦労をさせて働かせるようにする

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年をとればとるほど、脳に苦労をさせて働かせるようにする
 
脳の働きは、遺伝と環境がおおよそ半分ずつ影響しているといっていいと思います。
いくら素質的に働きがいい脳をもっていても、遊んでばかりいたら、勉強もできるようになりませんし、頭も活性化しません。
多少遺伝的な素質は低くても、脳をいつも働かせるような生活をすれば、能力はいくらでも発揮できるようになります。
 
40歳以降、年齢とともに脳細胞が減ることはやむを得ないとしても、能力を衰えないようにできるかどうかは、その人の生活次第で大きく変わります。
できれば、いつまでも脳を最高に近い状態に維持したいものです。
そのためには、第一条件は、体の健康を維持することです。
 
遺伝子レベルのお話をすれば、生まれつき頭がいい人は、働きやすい遺伝子をもっている、つまり脳のシナプスがつながりやすいと考えられます。
 
あまり働きのよくない遺伝子であれば、多少シナプスがつながりにくいわけです。
しかし、脳のシナプスは、繰り返し行うことでつながりやすくなります。
 
そのようにつながりやすくなって、遺伝子の働きがよくなることを「遺伝子がオン」になるといいます。
それに対して、逆にはたらかなくなるのは「遺伝子がオフ」になるわけです。
 
たとえば、頭が活発になるような、よい働きの遺伝子をオンにして、がん細胞を増殖するような悪い遺伝子はオフにできればいいわけです。
 
遺伝子がオンになるということは、シナプスがふえるということです。
シナプスがふえて他の神経細胞と縦横無尽につながりやすくなると、それだけいろいろな部分も活動することになります。
それだけ知的活動も活発にできるのです。
ですから、年齢とともに働きにくくなってオフになりかかっている遺伝子やオフになった遺伝子も、シナプスを強化してオンにすることができるのです。
そのためには、やはり日常の学習しかありません。
 
年をとってもの覚えが悪くなったと思っても、覚える努力をやめてしまったらさらに働かなくなってしまいます。
それまで一度見ただけ、一度読んだだけで覚えたような記憶力がよかった人でも、年齢とともに記憶力が悪くなるのは仕方ないことです。
それなら、何回でも何十回でも覚えることができるまで繰り返せばいいのです。
 
脳は怠けるとなると、どんどん怠けてしまいます。
全然使わない遺伝子はスイッチがオフになっていくと考えられます。
そこの細胞は血流が必要ないのですから、血液が回らなくなり、細胞が死んでいくことになります。
 
若い人でも同様で、日頃脳を使わないと、どんどん働かなくなってしまいます。
そうならないように、年をとればとるほど、脳に苦労をさせてどんどん働かせるようにすることです。
それによって、速くシナプスがつながるようになります。
 
       日常の学習、生活習慣でいい遺伝子をオンにする
       もの覚えが悪くなったら、覚えるまで繰り返せばいい
       年をとればとるほど、脳を働かせて苦労させよう
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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≪ビタミンB12で脳の機能低下防止と対策!≫
 
筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
筋肉や神経を動かすエネルギーをつくるのがB1神経伝達物質の生成にはたらくのがB6、そしてB12の役目は、神経細胞内の核酸たんぱく質などを合成したり、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12について