外部からの不快なストレスも適度であれば必要な刺激になる

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外部からの不快なストレスも適度であれば必要な刺激になる
 
外からでも内からでもストレスがあれば、私たちの脳は反応します。
そして、どちらからのストレスであっても、つまり、「ドーパミン・ストレス」だけでなく、「ノルアドレナリン・ストレス」も、人間の脳の働きからすると、必ずしも悪い状態をつくるわけではないのです。
 
たしかに、突然、蛇などと遭遇したり、何かがぶつかるといった物理的な刺激など、外からのストレスが加わると、まず不快を感じます。
それと同時に血圧が上がり、怒りや恐れといった不快な反応が起こります。
それが自律神経と心の反応です。
 
もう一つは、大脳に起こる反応で、大脳の覚醒レベルを上げます。
 
たとえば朝起きて、冷たい水で顔を洗うと、「冷たい」という不快な刺激が頭の働きを目覚めさせます。
このようなストレスは、自律神経では交感神経を刺激して、血圧を上げ、代謝を上げます。
大脳皮質の働きに対しては、注意レベルを上げ、集中力を上げるという効果があるのです。
そして私たちが活動するのに適した状況をつくります。
 
ある程度緊張し、注意・集中できる状態にあるほうが、リラックスして、ゆったりした、ぼんやりした状態のときよりも、仕事をするには適した状態です。
大脳皮質の働きが活発になり、意欲も出てくるのです。
 
そうした状態を誘発するのが、「自分にとって少し不快なストレス」です。
朝、顔を洗うというのは、不快なストレスをあえて自分にかけるといってもいいのです。
こうした不快な刺激が強すぎたり、長く続いたりすると問題になります。
 
朝起きてウォーキングすることをお勧めします。
出かける必要がなくても、とにかく、「朝、歩きましょう」と提唱しています。
ことに定年になった方は、朝散歩する、あるいは体力があればジョギングすることを心がけてもらいたいとお勧めします。
セロトニン神経を活性化するからです。
 
朝起きて、まだ頭も体も目が覚めていない状態で、歩きはじめるのはきついものです。
体はまだ重いし、かったるく感じ、まず表に出ようというだけでも、ストレスがかかります。
そういう状況のときに、あえて「歩きましょう」というのです。
この軽いストレスが外から加わることによって、大脳の働きが目覚めるのです。
 
実際、しばらく歩いているうちに、体も頭も目が覚めてくるのを実感するはずです。
そして気分がだんだんスッキリしてきます。
このように軽い、適度なストレスであれば、いい効果をもたらすのです。
 
ですから、外部からの刺激で加えられるストレスは、必ずしも避けたほうがいいというわけではありません。
一般には、外から加えられるストレスが私たちの体や心に悪影響を与えることが多いのですが、適度であれば、必要な刺激になるのです。
※外部からのストレスを「ノルアドレナリン・ストレス」、自分の内部からのストレスを「ドーパミン・ストレス」と呼んでいます。
「心も脳も元気になるストレス整理術! より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12とは…?
 
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について