脳がつくる「メンタル・ストレス」

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脳がつくる「メンタル・ストレス」
 
いまのような競争社会では、どうしてもうつ病になる人が多くなります。
あるいはキレてしまう人も多いのです。
現代人のストレスの多くは「メンタル・ストレス(心のストレス)」で、IT化が進んだために起ってきた「脳のストレス」ということができます。
「メンタル・ストレス」は、「脳がつくる」といってもいいものです。
 
高血圧や糖尿病、肥満などは「体のストレス」、すなわち体に出てくるストレスが引き起こします。
それに対して、「メンタル・ストレス」は、うつ、キレる、などの気分障害を引き起こします。
感情をコントロールできなくなるのです。
 
ストレス・ホルモンを分泌するのは、動物としては、無駄な抵抗をしないで、時を待つという生き延びる戦略です。
しかし、そのときには免疫力が落ちているので、ストレス・ホルモンの分泌が長く続くほど病気になりやすくなります。
胃潰瘍になるのもそんな状況のときです。
 
たとえば仕事でなかなか解決できない問題を抱えていたり、親しい人を失ったり、といった、簡単に解決できない問題に直面して、長い間ストレスが加わり続けると、ストレス・ホルモンが出続けて、血圧が高くなり、免疫力も落ちて、やがて胃潰瘍などの病気にもなります。
それとともに、うつ的になっていきます。
それはセロトニン神経がストレスによって抑制されてしまうから起ります。
 
この段階までくると、肉体的なストレスというよりも、メンタル・ストレスの側面のほうが強くなります。
現代人の場合には、労働がきついといったことで生じる肉体的なストレスではなく、むしろ心に打撃を与えるメンタル・ストレスの面のほうが強いのではないでしょうか。
 
ストレス回路の起点である、視床下部の失傍核の神経は、「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」を出すと同時に、直接に縫線核のセロトニン神経を抑制する方向にも働きかけます。
つまり、脳内のストレス回路のはじめの段階で、セロトニン神経を抑制してしまいます。
 
ですから、ストレス・ホルモンが出ると同時にセロトニン分泌が悪くなります。
その状態が長く続けば、セロトニン神経がどんどん弱まり、その結果、寝起きも悪くなり、自律神経失調症にもなり、あちこちが痛いと訴えるようになったりします。
さらには、うつになったり、キレやすくなったりするということになります。
「心も脳も元気になるストレス整理術! より」
 
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神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
◆ビタミンB12とは…?◆
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について