認知症の初期症状

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認知症の初期症状
 
認知症では、さまざまな記憶力障害を中核として、被害妄想や嫉妬妄想などの妄想、うつ状態、意欲低下、徘徊などの周辺の症状が出現します。
 
脳血管性認知症の場合、多くの場合脳卒中の発症後に起きるため、発症の時期はかなり明確に特定できます。
そして、脳卒中の再発を契機として、段階的に症状が悪化・進行します。
ただし、無症候性の脳梗塞(はっきりした発作症状がない脳梗塞)の場合は、判断が難しいといえます。
 
他方、アルツハイマー認知症の場合は、徐々に発症することから、いつ発病したかを特定することは困難です。
 
認知症の初期症状はまちまちですが、ほぽ共通して認められるものは次の通りです。
 
     忘れっぽくなる
これはよく見られるもので、家族が最初に気付くケースが多いといえます。
忘れっぽさも日によって違うので、年のせいなどと思われがちです。
特に、さっき昼食を食べたばかりなのにそれを忘れるといった、ごく最近のことを忘れる(近時記憶障害)ことが多いのです。
また、ものを覚える脳力(記憶力)の障害も目立ってきます。
 
     妄想にかられる
被害妄想・嫉妬妄想などです。
被害妄想は、忘れっぽさより先に気付かれることも多いようです。
もっとも多いのは、「財布を盗まれた」などの妄想です。
時には「警察に訴える」などと進展するケースもあります。
認知症の初期症状であることに気付かないと、諸々の人間関係に支障を生ずることになります。
こうした妄想については、安い財布をいくつか買っておいてあちこちに置く、財布に紐をつけてなくさないようにする、などの対応がとられることがあります。
 
また被害妄想に次いで多いのが、「配偶者が不倫をしている」という嫉妬妄想です。
 
     うつ状態になる
明確な理由がなく、抑うつ状態になります。
認知症が明確になる前に抑うつ状態を示すことが多いことから、うつ状態が「仮性痴呆」と呼ばれていた時期もあります。
 
老齢者では、抑うつ状態やうつ病が少なくないため、峻別が必要です。
 
うつ病は本来、感情の障害ですから、知能の障害はありません。
 
     無精になる
きれい好きの人が急にだらしなくなったり無精になることが、認知症の初期症状として認められます。
身なりに無頓着になる、風呂が嫌いになる、女性では化粧をしなくなるなどといったケースです。
うつ病の初期症状でもあるため、区別が難しいのですが、お風呂に入るのを嫌がるようになったら要注意です。
 
     外出を嫌がる
「天気が良いのに雨戸を閉めて寝ている」等、外出が好きな人が外出をしたがらなくなることがあります。
 
こうした周辺症状は、脳血管性認知症よりもアルツハイマー病の方が多様であることが多く、出現時期も異なります。
 
また、アルツハイマー認知症では、人格が変わり別人のようになることがあります。
脳血管性認知症では、末期まで人格が変わることは少ないものです。
 
なお、脳血管性認知症アルツハイマー病の違いで重要なのは、脳血管性認知症では病識(自分が認知症であるという認識)があるということです。
この病識の有無が、脳血管性認知症アルツハイマー病の区別を行う際の参考になります。
 
アルツハイマー病では病識が早くから消失するため、楽天的であったり、多弁になりがちです。
しかし脳血管性認知症では、病識を持っているため、楽天的なことはなく、むしろ沈みがちになります。
「ボケる人、ボケない人の生活習慣 より」
 
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ビタミンB12の修理工・再生屋としての能力は、21世紀の日本が抱える最重要課題のひとつである老人問題に、今後、大きな光明をもたらすことは間違いありません。

ビタミンB12は、悪性貧血等に優れた効果があることは以前から知られていましたが、最近、傷ついた神経繊維の修復や神経の伝達物質の合成に関与していることがわかってきました。

従来、一度死滅してしまった脳細胞は、再生不可能とされてきましたが、近時、ビタミンB12によって、再生されることがわかってきました。
それが、末梢神経障害や認知症の治療に有効である事から、俄然注目を浴びるようになってきました。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者は、血液中にビタミンB12が少なくなっています。
そこで、認知症患者にビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽快するケースが多くみられるとの事です。

今や人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるに至ったのは、医療技術が飛躍的に向上した結果ですが、残念ながら、脳に関する医学がそれに追いついていないことも事実でしょう。
老齢化が進むにつれて、感情の起伏が少なくなる、いわゆるボケ症状が見られるケースが増えています。
これは、脳が萎縮する為に起こることで、同じように老人認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー症候群も、脳全体が萎縮して、大脳皮質に変化が起こることによります。

脳の萎縮を防止するためには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行なわれなければなりません。
ビタミンB12は、この蛋白合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
ビタミンB12について