脳は萎縮して減っていく

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脳は萎縮して減っていく
 
脳の神経細胞は、老化にともなって徐々に萎縮し、減っていきます。
 
神経細胞の消失により、脳の重量は軽くなりますし、それだけ脳の働きが鈍くなっていきます。
 
この脳の神経細胞の消失は、50歳代から始まり、60歳以降進行していきます。
一般に、男性よりも、女性の方が進行が速いといわれております。
 
こうした現象は、脳だけではなく他の臓器でも起こることです。
たとえば、肝臓も、重量は30歳代がピークで、だんだん減っていきます。
60歳代になると急ピッチで減り、90歳代ではピーク時の1/2程度にまで減ってしまいます。
 
それにくらべると、脳の重量の減少は比較的小さいといえます。
60歳代から90歳代に至るまでの脳重量の減少率は、男性で約4.8%、女性で6.7%程度になります。
 
しかし、脳は他の臓器にはない重要な役割があります。
残念ながら、脳の神経細胞の消失は人によっては大きな影響を与えてしまうことになります。
 
脳の神経細胞が萎縮・消失しますと、神経線維が脱落していきます。
また、脳の重量が少なくなるにつれ、「脳室」(脳の内部で脳脊髄液をためている場所)が広がり、大きくなっていきます。
 
認知症になりかかっている人、あるいは認知症になっている人は、この「脳室」の拡大が顕著に見られます。
気になる場合は、できるだけ早めにCT検査などを受けることが望ましいでしょう。
「ボケる人、ボケない人の生活習慣 より」
 
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筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
筋肉や神経を動かすエネルギーをつくるのがB1神経伝達物質の生成にはたらくのがB6、そしてB12の役目は、神経細胞内の核酸たんぱく質などを合成したり、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働きます。
また、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
ビタミンB12について