意欲の低下は睡眠と運動で振り払おう-やる気のなさを歳のせいにしない-

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意欲の低下は睡眠と運動で振り払おう-やる気のなさを歳のせいにしない-
 
◎ハッピー神経が脳を覚醒させる
 
中高年になると、意欲の低下がいろいろなかたちで現れます。
最近の研究によると、意欲のもとは、「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」だと考えられています。
 
これまで、このホルモンは名前のとおり、甲状腺を刺激するホルモンとされてきましたが、A系列神経の神経伝達物質(ドーパミンノルアドレナリン)を放出させ、脳を覚醒させ、活発にする働きをすることがわかったのです。
 
A系列の神経は、別名「ハッピー神経」とも呼ばれて、ここから分泌されるドーパミンノルアドレナリンが、幸福感や意欲を生み出します。
 
このホルモンを中高齢マウスの脳内に注射すると、ひたすら真っすぐ走るようになります。
壁にぶつかったら向きを変え、また走る、といった大変化が表れるのです。
このことから、マウスの意欲が向上したのではないか、と考えられます。
 
しかし、人間の場合、このようなホルモンを脳内に注射することはできません。
 
◎睡眠中も脳は活動している
 
そこで注目したいのが、睡眠と運動です。
睡眠中は脳は休息していますかが、活動をとめているわけではありません。
血液循環が懸命に働いて、やる気のもとになるエネルギーを脳にため込んでいるのです。
 
エネルギー補給をさらに促進するのが、運動です。
歩いたり、日常生活のなかで体を動かしたり、食べる時によく噛んだりするだけで、血液循環が促進され、エネルギーが補給されるのです。
 
また、筋肉運動が神経を刺激することも大きな効果があります。
血液循環の促進と、筋肉運動そのものの強力な刺激の2つが相まって、A系列神経を活性化し、意欲が生まれるのです。
 
神経伝達物質の役割
 
<脳神経A系列>
 ドーパミン…ストレスを解消し、集中力ややる気を高めたり、楽しさ、心地よさなどの感情を生み出したりする。
 ノルアドレナリン…覚醒、集中、記憶、積極性、痛みを感じなくするなどの働きがあり、ストレスとの関係も深い
<脳神経B系列>
 セロトニンドーパミンノルアドレナリンなどの情報をコントロールし、精神を安定させる作用がある
<脳神経C系列>
 アドレナリン…興奮したり、驚いたりしたときに放出され、筋肉や内臓系に働いて運動能力を高める効果がある
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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