循環機能を高める②歩く力-歩き方が変われば脳の働きも変わる-

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循環機能を高める②歩く力-歩き方が変われば脳の働きも変わる-
 
◎人間は歩くことで地上の王者になった
 
歩くことは、動物の基本的な移動方法です。
野生動物の世界では、上手に歩けることが、生命維持につながります。
人間は2本の足で歩けるようになったことで、地上の王者への道が開けました。
 
原始のころ狩猟は、とにかく追いかけて獲物が疲れるのを待つやり方でした。
追いかける狩猟法は歩く力の戦いであり、ここでも造化の神さまの工夫が見られます。
長く歩けるように、足の付け根にお尻をつくってくれたのです。
 
お尻があることで、立つときの安定もよくなります。
高齢者は、歩くのはもちろん、立つことも不安定になりますが、それはお尻の筋肉が衰えるからです。
筋肉と脂肪の塊であるお尻が歩行に安定性をもたらし、長歩きが可能になったのです。
 
歩くことは、日々の生活における基本行動であるだけでなく、循環機能の向上にも大きくかかわっています。
というのも、下肢は、体のなかでもっとも多くの血液が貯蔵されている巨大な筋肉群で、この筋肉群が動くたびに、大量の血液が循環されるからです。
 
◎[インターバル歩行]で若返る
 
循環機能の向上と筋肉の働きを結びつけたのが「循環健康法」です。
つまり、歩くことで循環機能を高めようというものです。
 
しかし、長歩きはあまりしたくない、という方もいるでしょう。
そういう方に、短い距離でも効果のある歩き方をお教えしましょう。
歩くスピードに緩急をつける「インターバル歩行」です。
 
たとえば、最初お店までは速足で歩き、その次のお店まではゆっくり歩く、こんな調子で緩急をつけながら歩けば、循環機能はすぐに向上します。
信州大学松本市の研究によれば、「緩急を保交ぜたインターバル歩行を続けることで10歳も若返る」と報告されています。
 
また、アメリカ老年医学会誌に、「高血圧によって高齢者の歩行速度が急激に低下する。高血圧高齢者に速く歩く訓練をしたところ、高血圧症状の改善を見た」という研究結果が掲載されています。
 
つまり、歩くことは巨大な筋肉群である下肢を動かすことであり、循環機能の向上につながるのです。
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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