循環機能を高める⑤話す力-楽しくおしゃべりして健康になる-

イメージ 1
循環機能を高める⑤話す力-楽しくおしゃべりして健康になる-
 
◎話せなくなったら要注意
 
医師は、重病の患者さんと向き合う機会が非常に多いのですが、患者さんがしっかりと話せているあいだは、あまり心配しません。
ですが、言葉が不明瞭になってくると、危ないと感じます。
 
というのも、話す(会話する)ことで全身の循環機能が活発になるからです。
逆にいえば、話せなくなるということは、循環機能がかなり低下していることを意味します。
 
ここで、実体験をお話ししましょう。
医療のかたわら、健康や医学知識を啓蒙するために、講演活動を60年近く行なってきました。
毎回、6090分の講演が終わると、それこそ全身が汗びっしょりになります。
内ポケットに入れておいた財布がじっとりするほどです。
これだけのエネルギーがどこから生まれてくるのかといえば、もちろん循環系です。
 
そこで、40歳前後の男女5人に1時間ほどおしゃべりをしてもらい、体温がどれだけ変わるか、という実験をしてみました。
すると、おしゃべりをしたあとは、平均して1.5℃も上昇していたのです。
 
これだけの体温上昇が見られるということは、それだけ体内の代謝が盛んになり、健康度合が増していることを意味します。
 
◎エネルギーの補給を忘れない
 
ここで注意したいのは、話すことで血液循環が活発になると、それだけ多くのエネルギーを消費することです。
いわゆる「しゃべり疲れる」という現象が起きるのです。
たしかに、しゃべると疲れます。
しかし、エネルギーの補給、すなわち食べ物があれば、疲れはすぐに消えてしまいます。
 
そういえば、親しい人たちが集まってのおしゃべり大会は、お菓子を手元に置いてから始まることが多いですね。
エネルギーの消費と補給が、気づかないうちに行なわれているのです。
 
話すことは、人間だけに与えられた特権です。
その特権をフルに活用し、好きなお菓子を手元に置いて、「おしゃべり健康法」を実践してみましょう。
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
詳細はこちらへ