循環機能を高める⑥眠る力-昼間の活動が夜の熟睡をもたらす-

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循環機能を高める⑥眠る力-昼間の活動が夜の熟睡をもたらす-
 
◎年齢とともに時間感覚も変わる
 
歳をとると睡眠時間が短くなる、といわれるのはなぜでしょうか。
 
ここにおもしろい実験があります。
さまざまな年齢の人を集め、「1分経過したと思ったら手をあげてください」と告げて、時間感覚を調べるというものです。
 
この実験によって、平均すると、高齢者は5557秒くらいを1分と感じ、若い人は6467秒くらいを1分と感じることがわかりました。
 
このことから、高齢者の時間感覚が睡眠時間を短く感じさせたり、1年を短く感じさせたりすると考える説もあります。
あるいは、高齢者は仕事量が少なく疲労も少ないため睡眠時間が短い、という簡単明瞭な説もあります。
 
人間の1日は、山と谷の関係にあります。
昼間は、仕事の時間帯ですから山に相当します。
夜は、休息の時間ですから谷に相当します。
昼間の山が高いほど、夜の谷は深くなります。
 
つまり、昼間よく働けば、夜は熟睡できるということです。
 
◎不眠はうつや認知症の遠因にも
 
では、睡眠は、何のためにあるのかといえば、休息、それも大休息をとるためです。
もちろん、睡眠中は循環系も休息しますが、完全に休んでいるわけではありません。
心臓も筋肉も血管も、次の活動に向けて準備をしているのです。
 
朝になって眠りから覚めれば、大小さまざまな仕事が待っています。
それを無事に成し遂げるためには、栄養分の補給と老廃物の除去が欠かせません。
ですから、循環系は完全に休息することはないのです。
 
睡眠時間が足りていないと、血液循環の働きが悪くなります。
また、最近の研究では、不眠(睡眠不足)、うつや認知症の遠因になるといわれています。
 
とくに中高年者は、質のいい睡眠を十分にとるように心がけてください。
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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