血液まで支配する自律神経-「病は気から」には、科学的根拠がある-

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血液まで支配する自律神経-「病は気から」には、科学的根拠がある-
 
私たちが日常生活を健康に送ることができるのは、自律神経が必要に応じてはたらいているからです。
逆に、自律神経の働きがうまくいかなくなると、体調が崩れます。
 
たとえば、緊張して血管が閉じ血が頭に行かなくては仕事ははかどりません。
逆に、ゆっくり休みたいときに血管が開きすぎて血流が悪くなり手足が冷えれば、くつろぐことはできません。
 
このような自律神経の不調が生じるのは、主に悩み、心配などのストレスのためです。
大きな心配事があれば食欲も落ち、よく眠れなくなります。
それは心の状態が自律神経を左右し、体に大きな影響を与えるからです。
また、怪我をしたり病気になれば気分も落ち込みます。
体の状態も心に大きな影響を与えます。
 
このように、心と体の状態をつなげているのが自律神経なのです。
そしてそのカギを握っているのが、自律神経と免疫システムを担っている白血球との関係です。
それまで、体の中のいろいろな細胞が自律神経の支配を受けていることはわかっていたのですが、その中で白血球だけが抜けていたのです。
 
消化管などは副交感神経の支配で、心臓は交感神経支配のため興奮すると脈を打つ力がすぐに強くなります。
消化器官や心臓のような固定している細胞は神経末端でつながっているので、自律神経支配とわかったのですが、血液のように流れる細胞は、そういう支配から自由になっているのではないかと思われていました。
しかし、白血球もその例外ではなかったのです。
1996年に、白血球が自律神経の支配を受けているというメカニズムを、突き止めたのです。
 
きっかけは、ある日、福田先生が訪ねてきて、「晴れた日(つまり気圧が高い日)ほど虫垂炎の患者が多くなっている、それは気圧と関係があるのではないか。
これについて一緒に研究しませんか」という話からでした。
それ以前から、白血球の日内リズムを研究していたので、晴れた日と天気の悪い日では、自律神経の影響で白血球の分布も変われば、病気の内容も変わるのではないかと、すぐにピンときました。
 
そこですぐに顆粒球のことを思い浮かべました。
というのは、腹痛を訴える患者さんの血液を調べて白血球の中の顆粒球がふえていたら、虫垂炎を疑うのが常識だったからです。
顆粒球は、体内に侵入した細菌を食べて分解し、その戦いで死んで膿となります。
このとき顆粒球は細菌処理をするのに活性酸素を使うため、死ぬときに大量の活性酸素が発生します。
この活性酸素が組織や細胞を破壊します。
そのために虫垂炎を引き起こす可能性もあると考えられました。
 
実際に、白血球と気圧の関係を調べてわかったのは、高気圧に覆われて天気がいい日は顆粒球が多く、低気圧で天気が悪いときにはリンパ球が多くなるのです。
さらに脈拍を調べてみました。
高気圧のときには脈拍が速く、低気圧のときには遅くなることがわかりました。
 
高気圧とは空気の量が多くなることであり、空気の量が多くなれば、当然酸素も多くなります。
そこで、高気圧のときには、人が体内に取り入れる酸素の量も多くなります。
そのため晴れた日には、交感神経優位になり活動的になって、脈拍や呼吸数もふえます。
白血球の顆粒球の数もふえ、過剰な活性酸素によって組織が傷害を受けやすくなります。
それが晴れた日に虫垂炎が多くなるという因果関係なのです。
「免疫力が上がる生活下がる生活 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
◆ビタミンB12とは…?◆
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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