自律神経に左右されるホルモン-「病は気から」には、科学的根拠がある-

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自律神経に左右されるホルモン-「病は気から」には、科学的根拠がある-
 
ホルモンは心の動きや感情とかかわり、さらに体の各器官にも影響を及ぼします。
視床下部、脳下垂体など脳から分泌されるのが上位ホルモンで、上位ホルモンが血流を通って脳以外の甲状腺副甲状腺、副腎、すい臓などの体の各器官に達して、下位ホルモンがそれらの器官から分泌されます。
 
ホルモンの正体は、主にたんぱく質です。
分子量が大きいことが特徴で、分泌量はごく微量でも血液中に放出されると長持ちして体内のすみずみに行き渡り、さまざまな臓器や器官に影響を及ぼします。
 
私たちの心身の反応は、瞬時に神経を伝わって起こるものと、血液中を流れる生理活性物質(人の体が自然につくり出している天然の物質)によって起こるものの二種類があります。
ホルモンは後者の生理活性物質の代表的なものです。
 
ホルモンと自律神経の働きとは密接な関係があります。
たとえば、ストレスを受けると交感神経が刺激されて心身が緊張状態に入ります。
すると脳や体のいろいろな臓器からホルモンが血中に放出され、さまざまな変化をもたらします。
リラックスしたときには副交感神経が刺激されて、リラックス系のホルモンが血中に分泌されます。
 
つまり、ホルモンにも交感神経に支配される興奮系のホルモンと、副交感神経に支配されるリラックス系のホルモンがあります。
 
不安や怒りなどで興奮したときには、交感神経が働きます。
そのときに働く交感神経支配のホルモンは、副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイド(コルチゾール、コルチコステロン、コルチゾンなど)などや副腎髄質から出るアドレナリン、甲状腺ホルモンなどです。
リラックスしたときに働く副交感神経支配のホルモンには、成長ホルモン、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)インスリンなどがあります。
 
ストレスなど興奮したときに最初に出る副腎皮質ホルモンのステロイド(糖質コルチコイド)は、肝臓でたんぱく質の糖化を促進して、血液中に糖を放出するので血糖値を上昇させます。
さらにのど仏の下にある甲状腺から甲状腺ホルモン(チロキシン)が分泌されます。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にする働きがあるために、脈が速くなり、血圧や血糖値が上がるのです。
 
甲状腺ホルモンが異常に出る病気にバセドー氏病(甲状腺機能亢進症)がありますが、動悸や頻脈、汗かき、たくさん食べるのに痩せる、手の指が震える、疲れやすいなどの症状や、目が飛び出たようになる眼球突出などの症状が出ます。
 
交感神経が優位な状態では、血流が悪くなり顔色が青ざめ、唾液が出にくくなって消化吸収が悪くなり、腸の蠕動運動が抑制されて便秘になったりします。
 
ストレス状態が続くと、便秘や食欲がなくなるのは、こうしたホルモンの作用のためです。
そして興奮状態が続くと、夜眠れなくなり、疲労が蓄積され心臓に大きな負担がかかります。
糖尿病や高血圧になるリスクも高くなります。
その状態が長く続けば、狭心症不整脈、さらに心筋梗塞脳卒中といった重病につながります。
 
健康な状態では、交感神経の働きによってこれらのホルモンが分泌され、ある程度までは心身の活力が高まるという効果が出ます。
適度な量であれば免疫力は高い状態にとどまっていますが、多く出すぎると、免疫力がどんどん弱まるのです。
「免疫力が上がる生活下がる生活 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
◆ビタミンB12とは…?◆
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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