自前の歯をもっている人はボケない

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自前の歯をもっている人はボケない
 
自前の歯の重要性が「アジア・オセアニア国際老年学会議」で発表されました。
東北大学大学院の渡邉誠・歯学研究科教授のグループが、宮城県仙台市内に住む70歳以上の高齢者を対象に調査したところ、自前の歯の本数と認知症が関係していることがわかったのです。
 
健康診断を受けた1167人に認知症の程度を測るテストを受けてもらい、全く正常な群、軽度の認知症が疑われる群、認知症が疑われる群の3つのグループに分類しました。
この3つのグループの人たちで残っている歯の数を比較しました。
 
その結果、認知症がまったくない正常な人たちは平均で14.9本の自前の歯を持っていました。
軽度の認知症が疑われる人たちは13.2本、認知症の疑いが強い人たちでは9.4本でした。
健康な人ほど自前の歯をもっている本数が多いことがわかります。
認知症が疑われる人より健康な人は自前の歯を5本も多く持っていたのです。
口の中には、28本しか歯はありません(親知らずを除く)から、5本はかなりの違いといえるでしょう。
 
さらに、渡邉教授らは残っている歯の本数や噛みあわせることができる歯の本数と、MRIを使って脳の容積を調べ検討しました。
すると、残っている歯の本数の少ない人、噛みあわせることのできる歯の本数の少ない人ほど、記憶をつかさどる脳の海馬付近、意思や思考といった重要な機能を担う前頭葉などの容積が減っていました。
 
つまり、自前の歯の少ない人、そして噛むことができない人ほど、ボケやすいことがわかったのです。
 
歯周病などで歯を失っても、入れ歯をつくればいいと思っているでしょうが、自前の歯をもっていることがいかに重要かがこのレポートでよくわかります。
また、歯を失ったら、放っておかずにきちんと合った入れ歯をつくったほうがいい。
 
自前の歯で食べものを砕き、唾液を混ぜ合わせて消化管に送り込む。
歯のこの働きを通して、歯茎に刺激が与えられ、これが脳の活性化につながると思われます。
歯がなくなり、歯の周辺の神経が失われると、刺激が脳に伝わらなくなり、それが脳に悪影響を与えるのでは、と渡邉教授は述べています。
 
噛むという行動は手足を動かすより緻密で複雑なのだそうです。
確かに、口の中ではごく小さなものを感じ取りますし、それを取り除くこともできます。
噛むには、左右の顎の筋肉を伸ばしたり、縮めたりしなければなりません。
歯と脳の間には強力な神経のネットワークがあり、噛むことで脳の血流や代謝がよくなり、活性化するのです。
 
訪問歯科医療を実践している著名な歯科医師が、脳梗塞を起こして一命はとりとめましたが、体の片側にマヒが残る状態になりました。
しゃべることもおぼつかなくなったのですが、よく噛むことで脳の血流がよくなるはずと、食べものを食べるときはもちろん、食べていないときもカチカチと歯を合わせていたところ、片側のマヒもよくなり、話すこともスムーズにできるようになりました。
ご自身の歯が残っていたことが幸いしましたが、噛むことがリハビリになったのです。
 
さあ、「よくよく噛めよ」を実践しましょう。
100歳までボケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
◆ビタミンB12とは…?◆
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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