なぜ高齢者は栄養が足りなくなるのか

イメージ 1
なぜ高齢者は栄養が足りなくなるのか
 
高齢者にとって低栄養状態は、健康寿命を縮める重大な問題です。
 
しかも、低栄養は高齢者に起きやすいという特徴があります。
若い人や中年の人にくらべて、低栄養状態に陥る可能性が格段に高いために、ふだんから注意が必要なのです。
 
それは、なぜでしょうか。
 
低栄養の原因は、いろいろに要素が複雑に関係しています。
まず、誰もが思いつくのは、食べるものが不十分だということでしょう。
では、なぜ食べ物が不十分になるのでしょうか。それには、食欲の低下、かむ力の低下が考えられます。
また、体力が低下して家に閉じこもりがちになることで、買い物に行かなくなったり、時間の感覚があいまいになったりして、食べる回数や量が少なくなるということもあります。
 
では、食欲が低下する原因は何でしょうか。
第一に考えられるのは病気です。
がん、熱が出る感染症心不全、また慢性閉塞性肺疾患のような肺の病気では、食欲がなくなってやせてきます。
病気によって体内で炎症反応が起きているために、栄養が十分に補給されないことも考えられます。
また、脳梗塞などで飲み込みが難しくなると、どうしても食べる量が減ってきます。
飲んでいる薬の副作用で食欲が落ちることもあります。
 
高齢者ではうつ病やうつ症状などの精神疾患で食事がとれなくなることが多くあります。
認知症が重くなると、食べ物を食べ物として認識できなくなり、自力ではまったく食事がとれなくなってしまいます。
 
加齢によって、味覚や嗅覚が鈍くなるために、食欲がわかなくなるということもあります。
さらには、社会環境の悪化によって高齢者が低栄養になることがあります。
たとえば、貧困や社会的孤立などが原因で、食べ物が購入できなかったり、調理ができなくなったりするのです。
 
 最近の高齢者にとって問題なのは、誤った知識です。
雑誌やテレビ番組などで、「高齢期には脂っこいものはよくない」「魚と野菜中心のあっさりした食事が健康にいい」という知識がよく流されています。
それを頭からすべて信じてしまっているわけです。
 
 こうして、一つの原因が、また別の原因を呼んで、食欲低下や食の不十分といった悪循環を繰り返していきます。
それが低栄養の恐ろしい点なのです。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   認知症とビタミンB12の関係の本当のところは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◇

ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12葉酸
 
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状が出ることは事実です。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。
認知症患者に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
さらに、ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経の働きを助けます。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると神経過敏などの症状が起こりやすくなるのです。
脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
残念ながら現代社会に生きる私たちは、栄養的に見るとかなり厳しい環境に生きています。
まず、野菜は昔と変わらぬ色や形をしていますが、栄養価は、ずいぶん非力になっています。
今のニンジンは、50年前の8分の1から20分の1にまで低下していると言われています。
 
化学肥料や農薬などが使われ、ハウス栽培によって旬がなくなり、また、収穫後の輸送・陳列・保存、こうした時間の経過、さらに調理することで栄養価が消失します。
果実なども栄養価が未熟なまま出荷され、また畜産物や海産物も例外ではありません。
 
私たちは今の環境の中で最善の方法を模索するしかありません。
大切なのは、毎日、ちゃんと噛んで食べること。
よく噛んで食べることは脳の発達によい、ということは科学が証明しています。
まずは食事・生活習慣を見直し、「栄養価の補充」としてサプリメント(栄養補助食品)を活用してみてはいかがでしょうか。
 
詳細はこちらへ