今からでも間に合う食生活改善

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今からでも間に合う食生活改善
 
人間の集団をずっと追跡して要因を探る研究方法、これを「観察型の疫学研究」といいます。
調査対象の人たちに何かを指導するということはなく、純粋にデータを集めて追跡していくわけです。
 
これに対して、調査対象に手を加えて、どう変わっていくかというやり方もあります。
これを、「介入型の疫学研究」といいます。
この疫学の方法を用いた研究によって栄養の改善効果は、ある程度年をとってからでも十分間に合うこともわかってきました。
 
以前、東京都健康長寿医療センター研究所が中心となって1996年から2000年の4年間、秋田県のある地域で65歳以上の高齢者600人余りを対象に栄養指導を行って、死亡率がどう変わっていくかを調べました。
観察型の疫学研究で得たデータをもとに、健康づくりのノウハウを実際に試して、長生きできると思われるように食事を変えてもらったのです。
 
行政の栄養士や保健師さん、婦人会、老人会などと共同して、魚、肉、豆類、牛乳、卵などを積極的にとるようにしてもらうと同時に、ふだん食べている食事のボリュームを少し増やしてもらうようガイドラインを掲げました。
 
その結果、4年後に血液中のアルブミンが「改善した」グループ、「やや改善した」グループ、「維持・低下した」グループの3つに分かれました。
 
そこで、その後の6年間にわたって、3つのグループの死亡リスクを比べてみたところ、「維持・低下した」グループを1とすると、「やや改善した」グループは約0.7、「改善した」グループは約0.5という結果が出ました。
それぞれ、3割、5割という大幅な死亡リスクの減少を見たのです。
 
これらよって、アルブミンの改善が死亡率の低下に結びつくことがわかりました。
たとえ、すでに高齢者となっていても、食生活を変えることによって栄養状態が改善でき、健康寿命を延ばすことが可能だと証明されたのです。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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   認知症とビタミンB12の関係の本当のところは?
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ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12葉酸
 
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状が出ることは事実です。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。
認知症患者に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
さらに、ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経の働きを助けます。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると神経過敏などの症状が起こりやすくなるのです。
脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

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残念ながら現代社会に生きる私たちは、栄養的に見るとかなり厳しい環境に生きています。
まず、野菜は昔と変わらぬ色や形をしていますが、栄養価は、ずいぶん非力になっています。
今のニンジンは、50年前の8分の1から20分の1にまで低下していると言われています。
 
化学肥料や農薬などが使われ、ハウス栽培によって旬がなくなり、また、収穫後の輸送・陳列・保存、こうした時間の経過、さらに調理することで栄養価が消失します。
果実なども栄養価が未熟なまま出荷され、また畜産物や海産物も例外ではありません。
 
私たちは今の環境の中で最善の方法を模索するしかありません。
大切なのは、毎日、ちゃんと噛んで食べること。
よく噛んで食べることは脳の発達によい、ということは科学が証明しています。
まずは食事・生活習慣を見直し、「栄養価の補充」としてサプリメント(栄養補助食品)を活用してみてはいかがでしょうか。
 
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