手足の筋肉を鍛えて血管病の予防を

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手足の筋肉を鍛えて血管病の予防を
 
筋肉をしっかりとつけるには、何が必要なのでしょうか。
その答えもまた、結局は栄養に行き着きます。
 
タンパク質やカロリーの少ない食事を続けていると、PEM(タンパク質・エネルギー欠乏症)という低栄養の状態になります。
筋肉をつくるタンパク質が足りなくなるばかりでなく、カロリー不足を補うために自分の体内の筋肉のタンパク質を分解してしまうのです。
 
筋肉が減ると、体重の急激な低下という症状が現れます。
体重が減ったことで、「ダイエットに成功した」などと喜んでいると、実は脂肪がとれたのではなくて、筋肉が落ちたのかもしれません。
そして、この状態が続くと、命を縮める原因となってしまうわけです。
 
高齢者にとって、筋肉がしっかりついているかどうかは死活問題だということを肝に銘じてほしいと思います。
そして、健康を維持するための体力は筋肉によってもたらされ、その筋肉の材料は栄養で供給されているということを忘れてはなりません。
 
体力と栄養は、筋肉という仲立ちによって深く関係しているのです。
そのことは、高齢者のヘモグロビンやアルブミンを調べるとよくわかります。
食事でタンパク質をきちんととっている人は、血液中のヘモグロビンやアルブミンの濃度が高くなりますが、その濃度が高い人ほど歩行速度や握力が高く、逆に低くなればなるほど低くなるという関係があるのです。
 
もちろん、栄養をとって終わりというのではなく、筋肉を運動で鍛えることによって、元気老人でいるための体力がつくのです。
 
人間の体には、「廃用性萎縮」という性質があります。
これは、「使わない器官は徐々に衰えて、機能が低下していく」という意味です。
骨格筋は、その代表的な器官といってよいでしょう。
家に閉じこもってじっとしていると、筋肉がだんだんとやせ衰えてしまいます。
筋肉をつけるには、栄養にプラスして適度な運動が大切なのです。
 
歩行速度や握力が高い人ほど、長生きで血管病の死亡リスクがかなり低いという疫学データがあります。
それならば、手足の筋肉を鍛えることで歩行速度や握力を向上させれば、健康長寿が期待できるわけです。
残念ながら、そうした調査はまだ行われていませんが、おそらくある程度は期待してもいいと思います。
 
血管病の予防というと、これまでは薬を使った治療が中心でした。
薬によって、血圧や血清脂質を管理してきたわけです。
しかし、調査結果を見ると、運動もまた効果の高い治療の一環であることがわかりました。
血圧の薬を飲むことだけが脳卒中心筋梗塞の予防ではありません。
体にしっかり筋肉をつけ、体力をつけておくこともまた重要な治療なのです。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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